02
「ふぁー」
あくびをしながら本屋に入る。
時刻は昼頃、私は本屋に新しい問題集を買いに来たところだ。
ここは結構品揃えが良くて、面積も大きいのでよく利用する。
えーと、雄英問題集……は。
あった。
「「えっ」」
うわっ、知らない人と手が重なった!
漫画で見る光景じゃないか……。
現実でも起きるんだな。
「あ、すいません。どうぞ……」
そう言って固まった相手。
顔を見ていなかったので目線を合わせる。
「あれ、飯田?」
「倉橋じゃないか」
なんと他クラスの飯田でした。
そしてなんだその手の動きは?
「倉橋も雄英を受けるのか?」
「うん、飯田もでしょ?」
「あぁ、お互い受かると良いな」
そう言って一冊目の問題集を私に差し出し、二冊目をレジに持って行った。
「ま、飯田は合格だろうな……」
成績優秀だし。
確か委員長とかやってたような、やってなかったような……。
んー、まぁいいか。
私もこれ買って帰ろう。
それから私は勉強三昧だった。
明日は学校だから今日やる分はやっちゃおう。
*
「行って来まーす」
ローファーを履き、外に出る。
はぁ、最近花粉症ご辛すぎる……。
マスクが手放せないや。
一人で登校してるからってぼっちじゃないよ?
ちゃんと友達いるからね?
「はよー、遥香」
「おはよー梨沙」
無駄に髪が長いのが特徴の高尾梨沙。
腰をすっぽり覆うほど長い。
そしてハーフだから髪が茶色い。
そして美人。
「はぁー」
「なんだよ、朝からため息ついて。雄英のこと?」
「まぁそれもある」
貴方の容姿のことですよ。
釣り合わなじゃないかばかやろー。
もちろんばかやろーは自分ですが。
「でも遥香は運動できるし、勉強もまぁまぁできるから合格できるって!」
「そのまぁまぁにちょっと傷つく」
なんてくだらない話をしながら教室まで行く。
幸運にも梨沙とは同じクラス。
神様ありがとう。
あれだよね、2人組に慣れって時にぼっちになったら死にたくなるよね。
だから梨沙が居てくれて私はぼっち回避してるんだ。
感謝してます。
前 次