01
「遥香、ここにパンとお茶置いとくよ?」
「ありがとー、そこ置いといて」
そう言い母に目もくれずノートにペンを走らせる。
私は倉橋遥香、現在中学三年生だ。
志望校はヒーロー志す者なら絶対入る雄英高校。
雄英は偏差値も高いから学力はもちろん、ヒーローとしての戦闘能力も対象になる。
中学三年生と言えば受験の季節。
私は今まさに受験勉強の真っ最中というわけだ。
中学と高校ではあまりにもレベルが違い過ぎて参考書を閉じたくなる。
机に置かれたパンを食べ終え、一緒に置いてあったウェットティッシュで手を軽く拭いた。
ふと時計に目をやる。
「げっ、もう2時……」
私は元々寝付きにくいのが幸となって、今まったく眠くない。
まぁ不眠症ではないらしいけど。
3時間睡眠で事足りるし。
学力はギリギリセーフ、というところだと思うが。
問題は戦闘能力を試すテスト。
個性だけじゃ乗り越えられないだろう、雄英に入ったその先も。
受験まで後10ヶ月。
死ぬ気で勉強して死ぬ気でトレーニングしないと合格できないなんて。
さっすが雄英。
てか他のクラスの人だけど飯田って人も雄英受けるんだよね。
なんか特徴的だから覚えてる。
クラス違うけど。
お互い受かると良いけどな。
まぁ他の人の心配じゃなくて自分の心配しろって感じだけどね。
「あー、今日はもういいか」
なんせ今日は休みだから朝からやっている。
電気を消し、布団に入る。
まぁ3時まで寝付けなかったことは言うまでもない。
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