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「おかわりあるので遠慮しないでくださいね」
「名前ちゃんおかわりお願い」
「はい」
「あー…名前ちゃんの飯食ってると生きてる感じする」

皆疲れながらもご飯を残さずに食べてくれている、作っている側としてこんなに嬉しい事はない。食料を無駄に多く使ったりは出来ないから毎日頭を悩ませて献立を立てているから美味しいって言われるのはすごく光栄な事だ。

「坂田君はおかわりする?」
「ん、んー、するかな」
「うん」

お茶碗を受けとる時に坂田君の口の横につくご飯粒を見つけてしまった、他のおかずを食べようとしている坂田君に手を伸ばしてご飯粒を摘まむ。

「ん?」
「ご飯粒、ついてた」
「…………」
「どうかした?」
「何か、らび新妻みてぇ」
「はい!?」

至極真面目な顔して言うものだから持ってたお茶碗を落っことすところだった、床は畳だから大丈夫だけど。

「んー?もしかしてドキっとしちゃった?」

ニヤニヤといやらしい笑顔で詰め寄ってくる坂田君の顔をぐいぐい押し返す。
そして「それ返せよ」と私の指についているご飯粒を食べた、というかむしろご飯粒ごと私の指を食べた。坂田君の口の中、熱い。
しかももう食べたはずなのに舌が指に絡んでくるし、熱っぽい瞳で見てくるし、誰か助けて。
……と念じたら坂田君の首に鈍く輝く刀があてがわれた。

「良いんだな銀時、てめぇの最後の晩餐はそれで良いんだな」
「らび、俺のご飯粒も取ってくれ」
「邪魔してんじゃねぇよお前ら、昔っから良いとこで突っかかって来やがってよぉ。なに、ジェラシー?いっちょまえにジェラシー感じてんの?」
「おいこっち来いらび、食われるぞ」
「もう食べられたんだけど……」
「つーかヅラ、茶碗を片手に来んな。それ自分の顔面にぶつけたところでらびは取ってくれねぇから、てか取らせねぇから」

あーもーうるせ、とため息をつく坂田君。
いつの間にか普通にご飯を食べ始めてる、私もご飯をよそってこようと立ち上がった。

「あ、らびー」
「ん?」
「俺中盛りでよろしくー」

ひらひら手を振る坂田見てると
やっぱり何か憎めないんだ。

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