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次の日の仕込みも終わり、台所から出る。皆疲れがたまって爆睡しているが一応足音をたてないように静かに歩きながら自分の部屋に戻ろうとすると、一人皆が寝ている所を出て外で座っている人がいた。
月明かりが銀髪に反射してキラキラしてる、

「坂田君」
「…………」
「風邪引いちゃうよ」
「…………」
「休まないと、明日から辛いよ」

何を言っても、無言を決め込む。
こうなったらテコでも動かない、私に出来る事はないけどこのまま一人にするのもダメな気がする。……坂田君ものすごく、寂しそうな背中をしているから。隣に座ってその肩に頭を乗っけて、その背中を擦ってやる。

「怖い夢、見た?」
「………………、」
「ん?」
「皆、いなくなる夢」
「…………そっか」

また、背中を擦る手を再開させる。
戦場ではあんなに頼もしい大きな背中なのに、今はひどく小さく感じた。
大丈夫大丈夫って言い聞かせるように言いながら、あやすように優しく。

「……らび」
「うん」
「…お前、ここにいるよな」
「いるよ、高杉君も桂君も、辰馬さんもいる」
「……」
「怖くない、……先生もきっと大丈夫」
「……ん」
「落ち着いた?、そろそろ部屋に戻ろうか」
「らび」
「なに?」
「まだ擦ってて」

白夜叉なんて言われても、化け物みたいに強いなんて言われても、私と同い年の男の子で子供だ。
だから、今は、どうか今は…

「いいよ、……おやすみなさい坂田君」

良い夢を見れますように。

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