世界がくるりとまわるとき
ひとりぼっちでいる時、世界は鉛色の牢屋だった。
…とても陳腐な言い方かもしれないけれど、本当に。どんなに綺麗な景色を見ても、どんなに美味しいものを食べても、そこには色も味も無かった。
それは灰色の雪原。無音の冷気に晒され、体はぽろぽろ崩れていく。…そんな、感覚。
「だからね、今この景色が眩しくてしょうがないんだ。」
花の匂いは虹のように鮮やかで、目に映るあらゆる色は複雑に絡み合う。太陽の光は目に痛いほど輝き、星は闇の濃淡までもを見せてくれた。鳥の声、潮騒、子供の泣き声、行き交う人々はぺちゃくちゃお喋りし、何処かの犬は煩く吠える。どんな音も、何かの音楽のように心地よい。目を閉じれば、口元は自然にカーブを描く。いつかよりずっと、優しく幸せな形で。
「とても、とても陳腐な言い方だけどね、」
クスクスと笑う。その吐息が鼻を抜けて行く感触さえ、私にとっては愉快でならない。
手にはチクチクと尖った赤い花。緑の小さなトゲが、無性に愛らしく思える。対なす色のささやかな贈り物。
今までの人生で一番素直に、一番幸せな気持ちで贈る言葉。花と一緒に、この世の何よりも輝いていて、何よりも愛おしいその人へ手渡した。
「大好きだよ、ドレーク!」
あなたがいるだけで、世界はこんなに美しい。「…それは…何だ……ひょっとして今更誕生日を祝っている積も「うわあああああああ大遅刻してごめんなさい!」
「………まあ、いいだろう。」
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ドレークさんお誕生日大遅刻して本ッッッ当に申し訳ありません!!!!(土下座)愛してます!!←
一応egの去年のヤツの邂逅後的な。短ッ。2013.11.3
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