目は口ほどに…(出逢えた幸せSS) | ナノ
■ (2/4)

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俺のマンションに帰り、ドアを閉めるとすぐに、靴を脱ごうとしている直くんを後ろから抱きすくめる。



「…… 透さ……」



驚いたように、肩越しに振り向いた直くんの唇を塞いで、名前を呼ぼうとした声も飲み込む。



「……っ ……ふ ……」



合わさった唇の隙間から漏れる直くんの熱い吐息や、身体を俺に預ける重みが、直くんも俺と同じ気持ちだと教えてくれる。



「…… まっ…… て、先にシャワー……」



それなのに、素直じゃない言葉が返ってくる。


言葉にしなくても、熱い唇も、吐息も、身体も、こんなに雄弁なのに。



「……後でいいよ」



そんなワガママを言いながら、もう一度直くんの唇を塞いだ。


直くんには伝わっているんだろうか。


俺の気持ち。


本当は、片時も離れたくない。


ずっとこの腕の中に閉じ込めて、いつも一緒にに居たいと思う。


そんなワガママな俺を、直くんは知っているんだろうか。


キスを交わしながら靴を脱ぐ。


直くんのコートを脱がせながら、寝室へ移動する間も、何度もその唇を貪るように深く口付ける。


寝室の入り口で、一度立ち止まり、直くんが俺の首に腕を絡ませてくる。


早く欲しいと伝わって、それがとても嬉しいと思う。



「…やっぱり、先にシャワーする?」



少し顔を傾けて、直くんに目線を合わせ、そんな意地悪を言ってみたくなる。



「―― え?そんな……俺、もう……」



途端に、目を潤ませて、探るように俺の目を見つめてくる。



―― 可愛いな。



「”俺もう?”どうして欲しいの?」



ごめんね直くん。やっぱり俺の方がワガママかもしれないね。



「…… 俺…… も…… 我慢、できない…… っ!」



みるみる顔が赤くなって、直くんは俺のコートを脱がし始めた。


うん、やっぱりそういう直くん、好きだよ。


もっと俺に甘えて欲しいなんて、俺のワガママだけど。


寝室の入り口で、お互いの服を脱がし合いながら、またキスをする。


身体が少しでも離れるのを惜しむように。


上半身が露わになったところで、直くんの腰を抱き寄せて、耳朶を甘噛みして、溝を舌で擽っていく。



「…… ん…… っ、」



唇から甘い声を漏らし、引き寄せた腰がぴくりと震えて、直くんの手が俺の背中を抱きしめてくる。


ぴたりと触れ合った肌が熱い。


そのまま、くるりと向きを変えながら、直くんの身体をベッドに押し倒して、


首筋から啄むようにキスを落としていく。


なるべく見えない位置に、キツく吸い付いて、所有の証を残していく。


こんな大人気ないワガママを、君は許してくれるかな。


腰の括れを、手でなぞり、そのまま身体をうつ伏せさせて、背中にも口付けていく。



「あぁ……、…… っ、ん……」



直くんの漏らす声が、段々と高くなっていく。


もう直くんの弱いところは、知り尽くしているつもりだけど、もっと知りたいと思ってしまう。


肩甲骨の横へ舌を這わせると、直くんは身体を捩り、声音に甘さが増してくる。


そのまま背筋から腰へと辿るように舌で愛撫しながら、前に回した手で熱い直くんの猛りに指を絡めた。



「…… っあ…… っ、」



高くなる嬌声を我慢するかのように、噛み締めている唇に、後ろから顎を捕まえて、わざとらしく音を立たせて啄むようにキスをする。



「声、我慢したらダメだよ」



耳元に囁くと、潤ませた瞳で見つめ返してくる。





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【clap】
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