嬌花楼の切花娼年


 オナホ娼年

 見事な白髪をオールバックに整えた壮年の男性が、にこやかに秋良と夏月を屋敷の一室に迎えた。其処には以前納品した『商品』が横たわっており、赤く膨れ上がった秘所から白濁液を垂れ流しながらビクビク痙攣している。
 商品の表情は快楽にとろけきっており、意味を成さない音を口から漏らしている。

「ご愛用頂いているようで」
「ああ、勿論だとも。嬌花楼の商品は随一だからねえ」

 機嫌良く答える男性の前に、運んできた桐箱を降ろす。
 蓋を開けると中には、地下牢で作成した娼年オナホが横たわっていた。

「此方が新しい商品で御座います。ご確認ください」

 男性が中を覗き込むと、娼年は恐怖を全面に張り付けて涙でぐしゃぐしゃになった顔で見上げていた。口にはボールギャグを噛ませてあり、幼いペ○スにはピンク色のリボンが結ばれている。

「しっかり自我も残っているようだね。言葉は?」
「破壊してあります。ですが運搬中も声がうるさかったので、失礼ながらこのようにさせて頂いておりました」
「なるほど。まあ、それくらいは構わないよ」

 満足げに頷くと、男性は従者を呼びつけて、秋良たちに銀色のアタッシェケースを二つ差し出した。中身は廃墟街で使用されている通貨の札束。日本円でいうところの一万円札がぎっしりと詰まっている。

「新札で二億ある」
「……少々多いようですが」

 夏月が窺うと、男性は鷹揚に肯定した。

「今後とも私を贔屓にしてほしいからね。その気持ちだよ。其方としては違反者など出ないに越したことはないだろうが……」
「そうですね。まあ、もしまた『不幸にも』違反者が出たときには優先しますよ」
「頼んだよ」

 終始穏やかに取り引きを済ませ、秋良と夏月は屋敷をあとにした。
 扉が閉まり、室内には旧オナホ娼年と新商品、そして屋敷の主人だけとなる。

「さて、まずは名乗っておこう。私は君の飼い主で彰正という。君の名前は……と。燕子花(かきつばた)か。良い名だね」

 震えて怯える娼年を箱から取り出し、キングサイズベッドへ寝かせる。隣には散々使われた痕が見えるオナホ娼年が転がっており、燕子花の恐怖が一層強まった。

「ひ……ぁ、あう…………」

 快楽にとろけきっていて一瞬わからなかったが、隣で寝ている娼年はまだ燕子花が見習いだった頃にネチネチと嫌味を言ってきた、性格の悪い先輩ではないか。天高くプライドが聳え立っているような娼年で、己の美しさに底なしの自信があったことを覚えている。接客を終えるといつも休憩室でやれ下手くそだの退屈だのと文句ばかり零して、自分に相応しい金持ちの客が早く現れないかと夢を語っていた。
 この男は、確かに金持ちだ。何度も嬌花楼を贔屓にしているのだから。いつの間にいなくなっていた先輩は、確かに望んだ客に買われていたのだ。
 それが、オナホとしてだとは夢にも思わなかっただろうけれど。

「なに、怖がることはない。じきに君も幸福感でいっぱいになる。見たまえ」

 彰正は燕子花を起こして枕に背を預けさせると、使い古したオナホ娼年にバイブをねじ込んだ。

「あぁぁっ

 瞬間、背を仰け反らせ、小さなペ○スからぴゅくんと潮を噴いて絶頂した。快楽に染まりきり、悦び以外の感情が破壊され尽くしたような表情で、オナホ娼年は何度もイキ果てる。

「さて。君もそろそろ気持ち良くなりたいだろうから、使ってあげよう」
「んーっ! んんーっ!」

 首をぶんぶんと横に振って怯える燕子花の小さなペ○スに、注射器が迫る。
 その中にどんな悍ましい薬が入っているのかなど、想像したくもない。
 涙目でガクガクと震えるのも構わず、無慈悲にも針が突き刺さった。薬液が小さな性器の中に押し込まれて、ピクピクと喘ぐ。
 針が抜けて、ものの一分も経たないうちに、燕子花はビクンと背を仰け反らせた。

「んふぅううううっ!?

 ぷしゃあああああぁ――――っ

 なにが起きたか理解する間もなく、燕子花は弓なりに仰け反った状態で潮吹き絶頂した。ペ○スはいつの間にかビンビンに勃起しており、弧を描いて飛んだ潮が娼年の顔を濡らす。はち切れんばかりの玉もペ○スも、異常なほどに感度が上がっている。潮吹きの感触にまた絶頂し、潮吹きをしてしまう。
 快楽に終わりがない。抜けられない。狂いそうなのに、狂いきれない。暴れるうち体がベッドに沈んでいて、仰向けになっていた。そのせいで余計に自分の潮を顔面で受け止める羽目になったが、構っている余裕などなかった。

「ははは、君はなかなかに元気だね。これほど活きがいいなら新しい寄生種の苗床(ママ)になってもらえそうだ」

 ガクンガクンと痙攣しながらイキ続ける燕子花の耳に、更なる悪夢が飛び込む。
 燕子花も曲がりなりにも裏社会にいた身。寄生種がどういうものか、知識程度なら持っている。
 人間に取り憑き、その肉体を変異させたり、或いは男女関係なしに苗床にして卵を植え付ける生物。見た目は歪な内臓のようなものが多く、ドロドロとした軟体生物に似ている。悪趣味な研究者が生み出した人口生命体は、奇形サァカスの見世物などを作るために闇の世界で売買されているという。
 彰正はサイドボードから瓶を一つ取り出すと、娼年の前に掲げた。

「んんーっ!?」

 瓶の中には、摘出した臓器にしか見えない赤黒い物体が蠢いていた。蓋を開けるとずるりと這い出し、べちゃっと不快な音を立ててペ○スの上に落下した。

「んぅううっんんーっ
「ああ、そうだ。もう口枷は外してやろう。どれほど叫んでも周りには響かないから安心して喘ぐといい」
「ああーっあっぅああ

 じゅぷずぷぷっぐぷっじゅるるっ

 身を捩りながら、寄生種が娼年のペ○スへと入り込んでいく。尿道を掻き分けて、更にその奥へ。膀胱と精巣に辿り着くと、寄生種が中で脈動し始めた。

「ほらご覧。君の可愛いたまたまが赤ちゃんのお部屋になっていくよ」

 彰正が枕を背もたれにするようにして燕子花をベッドに座らせると、勃起ペ○スとパンパンに腫れ上がった玉が視界に入った。
 ペ○スも玉も、まるで別の生き物になったかのように蠢いており、その度に絶頂に等しい快楽が全身を突き抜ける。見たくもないのに、目が離せない。自分の体なのに知らない体になったかのようで、おかしくなりそうだった。

「んひぃっあーああーうあー

 ぼろぼろと涙を流しながら見つめるその先で、燕子花の陰嚢は見る間に五倍ほどに膨れていった。同時にペ○スも肥大化し、鈴口がパクパクと喘いでいる。バキバキに勃起したそれは、太さも長さも鍛えられた男の腕ほどもある。

「よしよし。苗床に相応しい体になったね。いやあ、前に苗床にした子はすぐ精神が壊れてしまってね。体力も持たなかったし、困っていたんだよ」

 優しく頭を撫でられ、燕子花は混乱した。
 ひどいことをされているのに、たったそれだけで安堵する自分がいたのだ。人生で一度だって頭を撫でられたことなんて無かった。褒めてくれる人なんていなかった。なのにこの人は、ち○ぽを立たせているだけで撫でてくれた。
 混乱する頭は事態を正しく処理できず、底なしの幸福感だけを感じさせた。

「さあ、もうすぐ第一子が生まれる頃だ。初産には立ち会ってやろうな」

 彰正が手を握ると、燕子花は反射的に握り返した。そして、異変はすぐに現れた。
 肥大化したペ○スがぶるんと震え、陰嚢が強く脈動する。きゅうっと収縮したかと思えば、尿道をなにかが這い出ようとしてくる感触があった。

「ああーっあっあっあっあっあっ

 脈動にあわせて、じりじりとなにかがせり上がってくる。そして、

「あっあっあああっぅああ――――っ

 ぼびゅるるるるる――――っ

 無数の小さな触手が、勢いよくペ○スから噴きだした。

「ああぁぁああっうぁああぁっあっああぁぁあんっあんっああぁあんっ

 ぶびゅるるるるる――――っびゅるるるっびゅるるるっびゅくんっびゅるっびゅるっびゅるるっ

 噴き出た触手が、びちゃびちゃと燕子花の体中に降り注ぐと、それらは蠢きながら一つの寄生種になり、痙攣し続ける体に纏わり付いた。蠕動しながら更に細い触手を発生させるとそれをピンク色の乳首に突き刺し、なにかを注入し始める。

「ああぁ……あっうあぁ

 どくんどくんとなにかが流し込まれるにつれて、燕子花の胸が膨らんでいく。そのサイズは街で見た娼婦のそれと大差ないほどまで大きくなり、触手の先端が乳首から抜けると、ぴゅるっと白濁液が噴き出した。

「あ……あぁ……

 大きな乳房の先に、聳え立つペ○スが見える。その先には乳房と同じくらい大きな陰嚢がベッドに横たわっていて。四肢を失ったことが些事に思えるほど歪な形に変異した肉体が其処にあった。



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