どちらも同じ 2/3
息を切らしながら部屋へ入ると電気もついていないため真っ暗だった。
よけい不安に煽られつつリビングの扉を開ける。
暗くて何も見えないが、鼻を啜る音が聞こえた。
…遥が、いる。
「陸弥…?」
震えた声が俺の名前を呼んだ。
何を言い出されるかわからない。緊張で固まってしまった。
「…?陸弥じゃ、ないの?どこ?」
ハッと我に返った。俺を探しているんだ。
「遥、俺だよ」
暗闇に目が慣れてきた。遥はさっきと同じ場で座り込んでいる。
恐る恐る、近寄る。
遥がそれを嫌がるようならいったん距離を置こうと思ったが、その必要もなさそうだ。
「ど、どこ言ってたの?」
「…外」
「なんで?俺を置いて?」
「遥」
だって置いていかなければ。また遥に何をするかわからないじゃないか。
「遥、さっきはごめん、俺のこと嫌いになってもいい。けど、お願いだからどこにも行かないで」
「なんで嫌いになるの?どこも行かないよ、だから陸弥こそ俺を1人にするの、やめてよ」
そうか。
どこにも行くなと言っておきながら、俺も人のことが言えなかった。
「わかった」
でも怖いことがあるんだ、
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