「なんでαとか、Ωとかあるんだろーな」

サッチにねだったシャーベットをつつきながら、不意にエースが言った。

「なんだよい、藪から棒に」

「んーやー、ナマエと話してたんだけどさ。昔は番とか無かったんだろ?そしたらもっと楽だったのになって」

「…楽?」

「そーそー。αなんだって、ナマエの好きな奴」

さらりとそう言ったエースが、シャーベットを平らげて席を立つ。その動きを視界にとらえながら、マルコは無言でその背を見送った。