誰かが始めた飲み会に紛れ込み、久しぶりに酔ったと実感できるほどには酒を飲んだ。

騒ぎの中心ではサッチと新入りとが戯れて、虐めすぎたのか軽い乱闘騒ぎまで起きている。それに眉を潜める気にも咎める気にもならないのは、やはり酔っているのだろう。

下らない事に声を立てて笑って、いたずらに誰かを小突いてちょっかいを掛けて煽るだけ煽って酒を飲む。

一人二人と潰れていって、残りも僅かとなった頃には屍に混じってうとうとと船を漕いだ。

こくり、とバランスを崩し目を開けると目の前に人の顔がのぞき込んでいて酔った頭で僅かに身を引く。

「子イヌみてぇ」

いつかのように、壁にもたれ掛かる俺を覗き込んだそいつはからかうようにそう言った。