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別になまえが誰と遊ぼうが
どこのどいつと付き合おうが

俺にとっては娘みたいなもんだ
そんなことに俺が口を挟む必要なんてない
と、そう散々鷹をくくっていた



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「たった二十歳差よ?」


ニューセレナのママはそういって
カラン、と氷をグラスにいれる

そんな大人の色気が漂う姿に
なまえを想像して見比べてしまう



「・・・あいつはまだ子供だ」

「いま、私と誰かさんを比べたでしょ?」

「そんなことはない」

「もう、失礼しちゃう」

「別に俺はなにも言ってないだろう」

「女は目で分かるの、目で」


ふん、とちょっと意地悪げに
桐生を見下してからニコっと笑うと
ママはグラスにウィスキーを注いだ

桐生はその出されたグラスに口を付け
ゆっくりと喉へ流し込む



「あのね、桐生さん」



身を乗り出してママは言う




「あの子はもう、子供じゃない」

「・・・子供だろ」

「違うわ、れっきとした大人よ
だから桐生さんも年相応に
相手をしてあげてもいいと思うの」

「・・・俺が、アイツに・・・?」

「そう不服そうな顔しないの」

「だがな・・・」



不満げな顔で桐生は煙草を取り出し
いつも通り火をつけた

しかしその瞬間、ママは「ほらね」と
ライターを指差して微笑む



「それが女性の愛よ」



それは去年、なまえに
誕生日プレゼントとして
貰った高価なライターだった




「ただのライターじゃねえか」

「そういうこと言っちゃうから
いつまで経っても気づかないのね・・・」

「ママ、悪いが
本当にそういう意味で
貰ったんじゃねえんだ、これは」

「あら、そう?」




複雑だった


何気なく貰って
何気なく使っていた
この”物”に意味があるなど

桐生には到底思えなかったからだ






「・・・鈍感なのね」

「なにか言ったか?」

「なんでもな〜い」



ママはそっぽを向いて
意味深げに笑った








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