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※注意: 麗奈生きてる設定です!

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もうすぐで11月
一年なんてあっという間だ

なまえは残りわずかな時間を惜しみ
いつものセレナで飲みつつも
クリスマスのことを考えていた


「ということで、どうしましょう」

「なぜ俺に聞く」



桐生さんは相変わらずだ
恋人の居ない私がこんなに
悩んでいるにも関わらず冷たい



「大丈夫よ、なまえちゃんなら
可愛いからすぐに彼氏ができるわ」

「麗奈さん…!」


ガタッ

なまえが喜んだと同時に
横にいた桐生が
音を立てて立ち上がる



「ど、どうしたんですか…桐生さん?」

「……別に」


そして何もなかったかのように
桐生は椅子に座りなおした


「まぁ、もしそれまでにできなかったら
私がいい人、紹介してあげる♪」


ガタッ


「さ、さっきからどうしたんですか?」

「本当、可笑しな桐生ちゃん
……どうかしたの?」

「麗奈、冗談はよせ……」


その状況になまえは
首を傾げて、麗奈は笑う

その時突然ドアが開いた


「なまえー!!」

荒々しく私の名前を呼んだのは
真島さんだった



「兄さん!」

「ひっ、真島さん?!」


真島はずかずかとなまえの
目の前に来るとなまえの
顎に手を添え、自らの
口元までぐいっと持ち上げた


「俺と楽し〜いクリスマス
……過ごそうやないか」

「へっ?!」

「なっ……?!」

「あらあら、早速彼氏候補?
私が紹介するまでもないわね」



プルルルル…

桐生はなにか言いたげだったが
それを止めるかのように
なまえの携帯が鳴り響く


「も、もしもし………堂島さん…?!
…えっ?は、はい……考えておきます…
は、はい……失礼、します…」


「ん?今のは大吾か?」

「なんて言ってたんや」

「……クリスマス、一緒に
過ごさないかって…」

「?!」

なぜ私が、というようになまえは
その場でおろおろとしてしまう

そしてまた携帯が鳴り響く…


「次はなんだ?」

「え、えーっと……秋山さんから
メールみたいですね…って
く、クリスマスデートしよう、って…」


物事の連鎖は止まらない
二度あることは三度ある


ガチャ…

「なんや、お前らも来てたんかい」

「あ、冴島さんいらっしゃい」

「おう、邪魔するわ」


いや、四度ある

たまたま、とは思えないような
タイミングでやってきた冴島は
軽く麗奈に挨拶を交わすと
カウンター席へと座り込んだ


「おい兄弟、もしかして
お前もなまえ狙いにきたんと
ちゃうやろなァ?」

「……なんでワシがなまえを…」

「いや、ちゃうんやったらええねん」

「……まあ、冴島がなまえを
誘うなんて珍しいこと…」

「…なまえ、良かったらワシと
一緒にクリスマス過ごさんか?」

「えぇっ?!」


あの冴島さんまで私のことを!?

一気に色々と起こりすぎたのか
なまえは混乱してしまう


「言ってることとやってる事が
ちゃうやないかいっ!」

「……ワシの勝手やろがぃ、
お前こそ口出しすんなアホ」

「なんやとォ!」

二人が対立する気まずい状況の中
麗奈はなまえへと口を開いた


「ところで、なまえちゃんは
一体誰を選ぶの?」

「えっ?……わ、私……」

「……誰なんや?」

「………」


殺気と似たような空気が
張り詰める中で固まり
動けなくなってしまうなまえは
チラリ、と桐生に視線を送った

その視線を追うように
桐生は全員から見つめられる


「………仕方ねぇな」


桐生はそう言うと素早く
なまえの足と背中に腕をかけ
軽々と抱き抱えた


「きゃっ、桐生さんっ?!」

「桐生、お前!」

「桐生ちゃん!」



「悪いな」


桐生はそう言い放つと
セレナの非常階段へと飛び出した


「逃がさんでェ、桐生ちゃ〜ん!!」

「……すまんが、また後で来る」


後を追うように二人も
非常階段へと飛び出していく




「………ふふっ…ほらやっぱり
私が紹介するまでもないでしょ?」


可笑しそうに口に手を当て
麗奈は笑った







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「桐生さん」

「はぁっ、はぁっ…
な、なんだ……?」


珍しく息切れするほど
走って逃げる桐生を
抱き抱えられたなまえは
じっと見つめていた


「……桐生さんは…
私を誘ってくれないんですか?」

「…………なまえ」


桐生は急にその場に立ち止まると
見つめてくるなまえに
目を合わせてそっと口づけた


「………!!」

「……今のは、俺を誘った
ってことでいいのか…?」

「………っ、はい…」



桐生は、ずっとなまえからの
誘いを待っていた、とは
本人には言えず

そんなやりとりを終えてから
また桐生はなまえを連れて
走って逃げ回り続けたのだった



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※あとがき


「おい、お前も男なら来いや」

「えっ、冴島さんどしたの?」

秋山、参加。


「大吾、追いかけんてえぇんか?」

「………行きましょう」

堂島、参加。


男達の闘いがはじまった…

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