5話
ピコンという音とともに表示されるのは、写真が送信されましたという文字。
ああ、またか。
そう思った私の予想を裏切らず、次には『この問題わかる?』と送られてきた。わからないことはないし、時間がないわけじゃないからいいんだけど……。間違ってたらごめんと保険をかけて、解いた写真を送った。
『さっすが!お前ほんと頭いいよな』
このプレッシャーが私はあまり好きじゃない。頭いいって言われるのは素直に嬉しいけど、いつか間違えるんじゃないかとか、わからない問題が出てきたらどうしよう、とか。そうやって考えちゃうのが私の悪い癖。
『ありがとう』
『クラス順位10位以内とか余裕だろ?』
『10位くらいなら、まあ……』
『くらいならって5位以内は厳しい?』
『ぶっちゃけ最高順位は??』
『ぐいぐいくるね……』
『クラスなら最高は3位』
『うわ……流石すぎだろぃ……』
『俺は半分も厳しい』
『頑張って!』
『それは苗字先生次第』
『他人任せ』
『まあまあ怒るなよ!』
『怒ってないけど』
『生徒がもっと勉強熱心だと先生は嬉しい』
『頑張りマス』
『早速教えて欲しいんだけど』
部活のために追試が取れない丸井くんはいつもより勉強熱心だ。中間テストまでちょうど1週間。私も今回は最高順位目指して頑張ってみようかな。
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