2話
今日は、丸井くんが丸井くんたる所以を知ってしまった1日だった。初めて喋る人と、あんなに身構えずに喋れたのは初めてな気がする。
コミュ力が高い人っていうのは、自分が喋れるだけじゃなくて、人に喋らせるのも上手なんだなぁ。
ラインの新着通知には、授業中に送られてきた写真。もう一回見ても面白い。この丸井くんと同じテニス部であろう人には同情するけど。
私も丸井くんのラインを追加して、ありがとうのスタンプを送っておいた。ただし、ありがとうとは思っていない。
そのまま他の人にもラインを返して、アプリで読める漫画を読んでいると、何件か連続でラインが届いた。送り主は丸井くんで、送られてきたのは赤い髪をした、丸井くんにどことなく似た男の子2人の写真だった。
弟さんかな?
そう予想して、可愛いだろって言葉に可愛いねって返しておいた。今度のこれは、本心だ。
『俺の弟』
『そうなんだ、似てるね』
『だろぃ!』
『趣味も似てるんだぜ』
『テニスやるの?』
『まだ始めたばっかだけどな』
『苗字は?兄弟いる?』
『お姉ちゃんが1人いる』
『でも、男兄弟欲しかったな』
『似てる?』
『そーなの?』
『ん〜似てるかな?自分じゃわかんない』
『ちょっとだけ憧れがある』
『見てみてーな、苗字の姉ちゃん』
『なら今度俺の弟に会いに来いよ!可愛いぜ!』
『今写真ないから、また今度ね』
『ありがとう笑 機会があったら是非!』
丸井くんは面白いし、良い人なのはわかったけど、軽い人なのかなって思ったのは内緒の話。
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