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穏やかな日差しが降り注ぐ中、私は今日も書類と向かい合わせながらコーヒーをすする。
そのコーヒーに先ほど砂糖とミルクが大量に投入されていたのは誰も見ちゃいない。あぁ、見ちゃいないとも!
カッコよさげに決めてみました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?楓です。
今日も平和です。うん、すっごい平和だよ。
ただ、あの一件(風邪ひきさんにはご用心参照)から委員長が地味にやさしい。あ、地味にだよ?
例えば、書類整理の途中に「やっべぇ〜寒い、風邪ひくかも〜〜」って言ったら、応接室の暖房の設定温度を上げてくれた。
それ普通じゃね?って思うかもしれないけど委員長がそれをするなんてことは今までならあり得ないんだよ!?普通この役回りは草壁さん、もといお母さんの役割なんだよ!?
もしかするとさ、あれじゃね?委員長遂に私に恋しちゃったんじゃね!?嘘です。調子のりました。
ゴメンナサイ!謝るから許して!!…誰に謝ればいいの?
「いんちょ〜〜がやさし〜〜〜!気持ち悪い〜〜るるる〜〜♪」
ヤバい、委員長が怖い 作詞・作曲赤羽楓
「誰が気持ち悪いって」
「あらま、雲雀さんいたんですの?」
「おばさんは帰れ」
しっしっと手でぺっぺってやられた。へ?もっとちゃんと表現しろって?擬音ばっかじゃねぇかって?
んじゃあれだよ。手でほらハエ払う時にする奴。………言ってて悲しくなってきたぞ。
「委員長!何ですかその手は!私の存在価値なんてハエ以下ですか!」
「どこからハエの話が出てきたのかは知らないけど、君の存在価値は……ハンバーグのちょっとしたくらいだよ」
「その基準がわかんないぃいいいいいいいいい!!!」
とまぁ、こんな感じでいつもと変わらぬ平和な?毎日を過ごしてたわけですよ。
でも、今日は何かが違った。
周りの空気が張り詰めていて、とても肌寒い。
何かが起こる。そんな気がした。
ダダダダダっとかけてくる音。その音は応接室のすぐ前で止まるとそのまま扉を勢いよく開け放った。
「た、大変なんです雲雀さん!!」
「うるさいよ沢田綱吉。寒いから閉めて」
あ、ちなみに最初の方で日差しがどうの香の言ってたの嘘ね。今バリバリ冬だから。
「い、イーピンがいなくなったんです!京子ちゃんも、ハルちゃんも、黒川まで!今、獄寺君にクロームのこと見に行ってもらってるんですけど…楓は大丈夫ですか…!!?」
その言葉に、雲雀君は頭の中が真っ白になった。今、この場所に楓はいない。どうしてだ。僕のいないところで楓がさらわれた!?
prrrrr
そんな時に携帯電話の着信音。相手はもちろん獄寺で、それはクロームもいなくなったことを知らせる者だった。
雲雀恭弥は思った。これは、何としても楓を助け出さなくてはならないと。
「楓……掃除用具入れの中にいるけど」
「は?」
…………綱吉は、雲雀から告げられた真実に思わず間の抜けた返事を返してしまう。
そして、不意に脳裏をよぎった不安が彼の心を乱す
もう、手遅れ。
掃除用具入れの扉を開ければ、物言わぬ彼女がこちらを見つめているのではないかと思う。
「楓、変なナレーション入れてないで出てきなよ」
「へーい」
んだよ〜〜!!!せっかく人がシリアスムード醸し出してやってたっていうのによ!
「後さ、僕の名前使ってナレーション入れるのも気色悪いからやめてくれる?」
「若気の至りだよ。許せ」
「京子ちゃんたち大丈夫かな…」
「楓ちゃんは大丈夫だよ綱吉君」
「楓、探すの手伝ってね」
「イエッサー」
ちょっとみんなに質問。
普通ヒロインって真っ先につかまるもんじゃね?
それでキャー――助けて―――ってなるはずじゃね?
何で捜索隊に加わってんの?
ねぇ、そんなに私にヒロインが似合わないってか!
そーかそーかそれなら私にも考えがあるぞ!!
見てろよ馬鹿ども!!
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