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「さぁ〜〜!楓、お兄ちゃんと一緒に風治そうな〜!ほら、薬飲んで」
そういって、薬差し出してくるMY兄貴。問題はその持ってる薬だよね。なめとんのかって感じだよね。
ほら、何ていうの?ちっさいこにさ、ほら〜くまさんだよ〜って飲ませるような奴あるじゃん。あのキモい味のする液体の薬。
この馬鹿が持ってんのそれなんですけど。
ムカついたので、手を叩き落としてやりました。というか、私ってさ風邪ひくと頭おかしくなる設定じゃなかった?(あ、自分で言っちゃったよ)
まぁ、これだけ馬鹿に囲まれればまともになるほかないか。オイ、普段まともじゃねぇって言ったやつ誰だ!表出ろやゴラァ!!!
「楓、早く飲みなさい!!残念ながらお兄ちゃんは楓のお兄ちゃんだから、口移しで飲ませてあげるとかはできないの!世間様が黙ってないの!」
「世間様の前にオレが黙ってねぇよ。その口二度と聞けなくしてやろうか?」←自覚症状ないですが楓ちゃんはいまだに壊れてます。
「楓ちゃんが、反抗期ぃいいいいいい!!!」
「うるさい黙れ頭に響くだろ変態」
「変態?兄ちゃんは変態じゃないぞ!何故って生まれてこの方彼女ができたことがないからな!純情この上ないぞ!!」
………れん兄、やっぱりそろそろ精神科に通院するべきだよ。
「変態、今度一緒に出掛けようか(通院な意味で)」
「マジで!遊園地行く?」
「そうだね〜お前と遊園地行ったら、ジェットコースターの上から突き落としちゃうかもしんない。あ、でもばれちゃうから駄目だ」
駄目だよね。うん。いきなり上からこんな金髪馬鹿変態阿呆の姿態が落ちてきたら、小さい子に教育上よろしくないよね。
「え、ばれちゃうって言った!?ばれなきゃいいの!?よくないよ!ねぇ!」
「はいはい」
その後も、返事は一回とかぎゃーぎゃーうるさい。本当に精神年齢幾つだよこいつ。よくヤンキーやってこれたよなこんなアホが。
「楓、ヤンキーには意外と馬鹿が多いんだぞ。ドラマでやってるような純粋なヤンキーは少なくて、天然記念物に指定されるんじゃないかってもっぱらの噂なんだぞ」
「何で心読んでんだよ阿呆。つか、天然記念物ってアホだろお前」
「心読むっていうより、全部口に出してたな!」
ガンと一発兄貴の頭上に拳をズドーンと落とす。
「痛っ!地味に痛っ!下手な不良より強いぞお前!この際ヤンキーに転職したらどうだ!」
「転職してなるもんじゃねぇよ。それ以前に職業でもねぇよ」
「何!?」
「阿呆だ!馬鹿の子だ!!」
ヒュッ、ズガン!と何処からともなく飛んできたフライパンが私の脳天をかすめて、後ろの壁へと突き刺さる。
れん兄が、何!?SF映画!?楓FBIに命狙われてんの!?とか何とか意味の分からないことを言っているのは無視しましょう。
え、ていうかコレどこから飛んできた?というか、家の中で調理器具を武器に使うことが許されてるのは……
「ほ、ホントパパって馬鹿だよねーーーー!!!」
下の台所まで聞こえますように。いや、部屋のドアの前にいるMYママンに聞こえますように。
精一杯声を振り絞って叫びました。
きっとあれだ。馬鹿の℃qって言ったから切れたんだ。自分のこと馬鹿って言われたと思って切れたんだ!
「こんなに、こんなにたくましくなって…決めたぞ!兄ちゃんは、お前の世界征服、宇宙制圧の夢を全力でサポートするからな!頑張るからな!!」
うっうっと目頭を押さえながら言うアホ。どこまで話が進展してんだよ。阿呆。馬鹿。間抜け。
「じゃ、兄ちゃんはお前の為にまず宇宙語をマスターしないとな!ちょっと言ってくる!早く風邪…じゃなかった。ウイルスを撃退しろよ!」
ぶんぶんと手を振りながら出てった。
阿呆だ。
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