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その後、頭が痛いだのなんだの言いだした楓。当たり前だろう。風邪ひいてるっていうのにあれだけ騒げば。

仕方ないから、熱様シートを持ってきてやる。


「あぁ〜〜〜!ヒバリン!熱様シートあったぁ〜〜?ちゃんと探せた〜?馬鹿でもわかるところにあったと思うけど〜〜〜!」


…ダメだ。落ち着くんだ。この子は今風邪をひいているのであって。殴ったりしたら完璧僕が悪者になるのであって。

…てかあれ?僕って最凶の不良って恐れられてるんだよね?ぶっちゃけ悪者じゃね?

殴っていいかな?ねェ、こいつ殴っていいかな?


僕もう悪者でいいから!!



混乱してきた感情を無理やり押し込めて、楓の額に熱様シートをベチーーンと叩きつける。あ、良い音した。


「うぉ〜〜つめて〜〜〜!!あ、冷たいと言えば。いいんちょ〜かき氷食べる〜」



「君はちょっと季節感ってものを考えたらどう?かき氷今時食べる奴なんてそうそういないよ」



「アイス食べてるやつはいるじゃん〜〜あ、アイスでもいい」



お前は、要するに食い物が食えれば何でもいいわけだな。そうなんだな。



「楓、君のお母さんが買い物に出かけたのにアイスなんか食べたら殺されるよ?」



ためしに行ってみた。かなり怖いからねあの人。予想通り効果てきめんで楓は「うっ…無念…」とか言いながら、そのままベットにボフンと横になる。あ、ちなみに今まではベットの上で座ってた感じね。



「あ〜〜委員長、子守唄歌え〜〜」


「ヒバード、楓に校歌きかせてあげて」


「やっぱりいいです!ごめんなさい!」



そういって、布団をかぶった楓は、ゴロゴロとベットの上を行ったり来たり、しまいには、ベットの中心部で体を丸めて、その上に布団をかぶり「テレレレッテレ〜〜〜こたつ〜〜!」とか言い始める始末。


相当ヤバいね。どんだけ性格変わるんだよ。


普通の小説の主人公とかは病気になると弱って、あれ?こいついつもこんなんだったけ?何か可愛くね?ってなるもんじゃね?


「ちょっと赤ん坊、勝手に口挟まないで。それ僕が言ったみたいになってるから。」


「言ってねぇぞ。思ったみたいになってるんだぞ」


というか、いつからそこにいたんだ。




「ん…?この声は…」



ベットの上で、まだこたつ状態を続けてた楓が、むくりと体を起こした。







「リボォオオオオンくぅうううん!!!!!」



「それ以上近づくな、俺に風邪がうつったらどうする」



ベットから跳ね起きて、赤ん坊の姿を確認した楓は、おもちゃを与えられた子どものごとく赤ん坊に跳びつ…こうとして、赤ん坊はそれを阻止する。

即座に拒否された楓は、少しの間肩を落としていたが、すぐに復活する。さすが馬鹿。



「でもリボーン君どったの〜〜!分身までしちゃって〜〜〜!あれ?いいんちょも分身してる。お前らいつの間にトリップしたんだ!!NARUT○の世界に行ってきたんだ!いったんだな!そうなんだな!!」



「楓、それじゃ伏字の意味ねぇ。せめてNA○UTOにしとけ」



赤ん坊、ツッコミ入れるとこちがう。盛大に違う。


「分身って…ついに頭もやられた?」


「え〜だってこんなにたくさん、いちーにーさんしーごーろく、ななはち…あ、全身黒タイツが見える。ちょっとお前どいて。きゅーじゅー」



「ちょっと待て、危ないもの見えてるよね?見えちゃいけないもの見えてるよね?」



「委員長?どうしました〜?」



全身黒タイツって、絶対見えちゃいけないものだよ。お花畑に連れて行かれちゃう奴だよ。



「あれ〜〜黒ちゃん帰るの〜?」


「黒ちゃん?」


「全身黒タイツ君の名前〜あ、違うって!友達連れてくるんだってさ!鎌持ってるやつ!」



死神ぃいいいいいいいいいいい!!!




「楓!落ち着いて!君は何も見てない!そうでしょ!」


「いいんちょ!?どうしました!というか分身しながら近づかないで!地味に怖い!!」


その後も、ギャーギャーと言い争いを続ける。赤ん坊は、どっか行ったみたいだ。

















「ちょっと、何やってるの…?」

・・・聞こえちゃいけない声が聞こえるような




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