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楓です。皆さんお元気ですか。私は元気じゃないです。
頭痛いです。もうなんか、世界の終りなんじゃないかってくらい痛いです。委員長に殴られるより痛いです。え?しつこい?しょうがないじゃないか!!それくらい痛いんだもんよ!
というわけで、当然のごとく学校は休みました。頭痛いから休ませてって言ったら、お母様に「仮病だったら殺すわよ♪」と笑顔で言われて寒気がしました。
あの時だけは、熱が一瞬にしてさめたような気分になりましたです。はい。
んでもって、只今IN THE ベットでございます。
布団被ってるの暑くて、ベットから抜け出してフローリングに頬ずりしてたらお母様にベットに縛り付けられた楓です。
こんなの耐え切れない!!誰か私を助けておくれ!!!!
「楓、うるさいわよ。今から買い物行ってくるけど何か食べたいものある?」
「焼肉!!」
「うどんね。わかったわ」
お母様!!そこはツッコミを入れるところです!!「病人のくせに何で焼肉だよ!?」って言うツッコミが欲しいです!
「それじゃ、いい子にしててね?ベットから抜け出したりしちゃだめよ?」
ふふ、と笑って出ていくMYママン。
…ベットに縛り付けた張本人が言う言葉じゃないよね。
うー頭痛いよーーお腹痛いよーー鼻水が痛いよー…鼻水痛いとか気持ち悪っ!!
喉痛いよーー咳が出るよーー体中が痛いよーー
額が痛いよーー痛いよーーなんだこの痛みは…まるでシャープペンシルの先端で頭コツコツやられてるみたいな…
やめろ!!目を開けるな!!オレは疲れてるんだ!!と叫ぶ瞼を無理矢理押し上げると視界に入った、黄色い物体。
…私、黄色いシャーペンなんて持ってないんだけどな。
…いや、そもそもシャーペンってこんなにふわふわしてたか?しかもなんかあったかいぞ?
「……」
「……」
黄色い物体、もといヒバードちゃんと目があってそのまま沈黙。
「カエデ!!カエデ!!カゼ!カゼ!!」
「ヒバードちゃんまさか、私のこと心配して…!!」
あまりの嬉しさに泣きそうになると、黄色くてかわいいヒバードちゃんのくちばしからは信じられない言葉が。
「バカナノニ!バカナノニ!!」
「雲雀コノヤローー!!ヒバードちゃんになにおしえてくれとんじゃ!!しばくぞコノヤロー!!」
「へぇ、やれるもんならやってみなよ」
…今さ、聞こえちゃいけない言葉が聞こえなかった?
え?みんなも聞こえたって?マジかよ!
今度一緒に耳の医者いかないとヤバいね!幻聴が聞こえるって相当だよ!!
「幻聴じゃないから」
「……」
やっぱり聞こえる恐ろしい声。
恐る恐る部屋のドアの方を向けば、飲み物の入ったコップを載せたお盆を持ってこちらを睨み付ける雲雀恭弥ことヒバリン。
持っているお盆の似合わないこと似合わないこと。
あれだよ!ものっそい怖いおじさんがベビーカー押してるくらい似合わない!
「風邪ひいたんだって?」
「おう、悪いな」
「……」
「どうしたんだよ雲雀!いつもの元気がないぞ!!」
委員長が、固まって動かなくなりました。
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