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誰もいない応接室。というか、今日は誰も中に入らせなかった。

何でって、そんなの決まってる。あの忌々しい行事のため。

チッと短く舌打ちして、改めて楓が持ってきた資料を見る。


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並盛中学学園祭



・基本、服は何でもОK。


・今日だけはお菓子の持ち込みもОK。


・相手が「Trick or Treat」って言ってきたら、お互いに相手の仮装がなんなのかを見破って、見破れなかった方が相手にお菓子を渡す。


・お菓子がなかった場合、その人の言うことなんか一個聞く。


・絶対全員参加。


ってことなんでー委員長も仮装してきてくださいねー



赤羽楓


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「はぁ…」


風紀委員長とも在ろうものが、こんな行事に振り回されないといけないなんて。


ま、仮装なんてして来るはずもないけどね。

後でガタガタうるさそうだけど、要は楓に見つからなければいいんだ。


応接室には鍵かけたし。


草壁たちにも近づけさせるなって言ってあるし。


今日一日を乗り切れば…僕の頭にはそれしかなかった。




















「ツナァア!!委員長見なかった!?」


「楓!?い、いや見てないけど…」


「チッ…どこに隠れやがった」



仮装してる委員長なんて、世界滅亡くらいの大ニュースだからね!記念に写真くらいとっておかなきゃもったいなくて罰が当たる!!

そんなことをツナに力説していると、「あっ!テメェ!!」という言葉と共に、獄寺が目の前に現れる。


「テメェ、十代目からお菓子を奪おうって魂胆か!!」


「え?あ、まぁもらえるとうれしいけど」


もらうつもりだったけども。



「ふざけんじゃねェ!十代目は俺がお守りする!勝負だ!」


…どこぞの戦場にでも出かけられるんですかあなたは。

まぁいいや。先に獄寺からもらうのも悪くない。ニシシと笑いながら、さぁ何でしょーとくるくるまわる。


てかさ、獄寺君のは何かな?猫人間かな?耳付いてるし。



「んじゃ、せーので言うからね」


「おう!」


「せーのっ」



すぅと大きく息を吸って二人同時に叫ぶ。獄寺さんは叫んでないけども。



「猫型UМА」


「猫人間!!」



「どっちもかわんねェ!!」


ツナさんナイスツッコミです。


猫型ゆーまってどんだけ不思議大好きなんだよ。



「あん?それしかねぇだろうが」


「違います―」




そういって、ベーっと下を突き出して、ネタばらし。獄寺さんの額がピキピキいってる。




「なしだ!んな理不尽な奴があるか!」


「はっ!キャラ設定懲りすぎてちょっと自分で恥ずかしくなったのは事実だがな!読者様にひかれたらどうしようとか一瞬考えたけどな!お菓子のためならうちはなんだってしてやる!」



「そんなに自信持っていうことじゃない!!」





ツナ君はやっぱりツッコミキャラだねーでもどうしてもこれだけは譲れないのだ!!







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