えーただいまの時間…PM8:30です。

何でこんな時間に私が一人で家に帰ってるかって?

あいつのせいですよ!言わなくても分かりますよね?

そう!言わずと知れた極悪人間、雲雀恭…



「誰が極悪人間だって?」


「あ、あれ〜?なんで委員長がここに…?」



思いっきり目をそらしながら言うと、ものすごい殺気を向けられる。

けど、そんなのいつもの事だから気にしない気にしない♪

でもさ、やっぱこのシチュエーションはアレだよね!?



「も、もしかすると一緒に帰ってくれ…」



淡い期待を抱いて問いかけようとすると、まぁ当然の如く一刀両断される。



「そんなわけないでしょ」



うん、まぁ薄々分かってたけどね。我ながら考えてて、ちょっと自分頭大丈夫かなって思ったけどね。



「あーそうですよねー」



じゃあ何の用で…と問いかけようとすると何かの袋を顔に投げつけられる。




「へぶっ!?」



「ヘぶって…」



分かってます。自分でもすごい変な声出したって自覚あります。

だから、そんな冷たい目で見ないで!!



「こ、コレなんですか?」


「あげるよ。好きなんでしょ?」



がさごそと袋をあさってみると、中には黒ゴマ団子が入っていた。


委員長の顔を見ると、何か達成感溢れる顔でこっちを見ている。

いや、黒ゴマ団子そんなに特別に好きなわけでもないんだけど…

でも、そんな顔で見られたら今更嫌いって言えるわけもなく



「ありがとうございます」


「いいよ、別に」



そう言って、踵を返して学校に戻っていく。

後ろを振り向く瞬間、委員長が薄く笑った気がした。


それに、学校に戻るってことは、これだけのために追いかけてきてくれたってこと?


それが、嬉しかったから、黒ゴマ団子を袋から一つ取り出す。

そして、それを勢いよく投げると、見事、委員長の頭に向かって飛んでいく。


一瞬、そのまま当たれ!と思った自分がいなかったわけではないが、当然のように振り向いた委員長にキャッチされてしまう。


あ、あれ?睨んでらっしゃる?

暗いからよく分からないぞ!?



「それあげますー!黒ゴマちゃんおいしいですよー!」


もう、殴られるのはごめんだから、それだけ叫んで家に向かって走り出す。














「それあげますー!黒ゴマちゃんおいしいですよー!」


そう叫んで、走り去っていく楓。


掴んだ黒ゴマ団子の包装紙を取って、口に入れる。


「…あげますって、コレ元々僕の何だけど」


そんな事をつぶやいてみたけど、悪い気はしなかった









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