平常が一番
「お邪魔しますね」

『いらっしゃーい。茉咲ちゃん』

只今、青春真っ盛りな茉咲ちゃんが適任だろう。



「どうしたんですか清水先輩。急に相談事って」

『まあ、そこ座って。あ、じゃがりかいる?』

「あ、いただきます」


ぽりぽりぽりぽり・・・


『茉咲ちゃんはさ。松岡くん好きでしょ?』



ぼりっ!


「な、な、な、なんで知って・・・っ!」

『いや、その見てたら・・・』


茉咲ちゃんの始めて会った時から、私はわかったんだけどなぁ。

だって、茉咲ちゃんが松岡くん見る目、きらきらしてたし。



「そ、そ、そうなんですか・・・」


顔を真っ赤にして、視線を下に向ける茉咲ちゃん。

かわいいなぁ。


ぽりぽりぽりぽり・・・



『でね。妹以外にはまだ言ってないんだけど、私、浅羽くんが
好きなんだ』





ぼりぃっっっ!!





『えぇっ!なんかじゃがりか食べてるにしてはありえない音
したけど!?』

「だ、だって先輩前置きもなく急に言うからっ!」


ゴホゴホ、とむせる茉咲ちゃん。



『だ、大丈夫?』

「・・・はい。だいぶ収まりました。
浅羽、ってどっちですか?」

『悠太くん』

「へぇ・・・。
・・・で、相談事っていうのは・・・」




『浅羽くんを好き、って気づいたの本当に最近でね。
で、意識しちゃって、目とかあったら恥ずかしくなりそうで…』


「あ〜。なるほど」


『で、茉咲ちゃんはそんな時どうしてるかな、って』



私の話が終わると、茉咲ちゃんはうーん、と考える。




「私は隠すのとか下手なんで、隠さないと思います」


『隠さない…』


「はい。下手に隠しても私演技とか下手だからすぐ私ばれちゃうし」




素直な茉咲ちゃんらしい意見だなぁ。


でも、隠さない、っていうのは結構いいアイデアかも。

どうせ私も演技下手だし…。


『なるほど。私もそうしてみるね』

「はい。役にたてて良かったです」

『じゃあ相談事はここまでで。茉咲ちゃんの恋愛話でも聞きたいなぁ〜』

「そ、それは!///」




それから、4時間くらいガールズトークを私達はした。

茉咲ちゃんと松岡くんの出会い話とか。


怪我した茉咲ちゃんに絆創膏渡すために追いかけたなんて、
いかにも松岡くんらしいなぁ。




「じゃあ、お邪魔しました」

『今日はりがとう。また来てね』



茉咲ちゃんは自転車に乗り帰っていった。

そんな茉咲ちゃんの後ろ姿を見ながら、玄関のドアを
閉めようとした時、2人の高校生が目の前を通った。


手を繋いで仲良くニコニコ話ながら帰っているところを見ると
カップルなのだろう。







いつか




いつか私も、浅羽くんとああなりたい、なんて



心の奥底で思ったりした。



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