危険警報
優佳side




「あ、清水ー」

『なにー?』



トイレから帰ってきた私をクラスメイトの1人が呼ぶ。




「なんかね、3年生が昼休みに裏庭に来てだってー。
あんたの落し物預かってるから渡したいっぽくて」

『落し物??したっけなぁ・・・。
まぁ行ってみるね。ありがとう』




拾ってくれたなら、その場で渡してくれればいいのになぁ。

ま、一応拾ってくれたなら行かなきゃね。





私はその時、そこで警戒していればよかったのに、と後で
後悔することになった。







◆◇◆◇◆





昼休み






私は約束の裏庭へと向かう。





「あ、来た来たぁ」



そこには、スカートがすごい短い、メイクが派手な3年生が
4人いた。



甘く、でも少しきつい香水の匂い。

酔いそう・・・。



『あの、落し物っていうのは』

「ないよ」



あっさり言うリーダーらしき3年生。
金髪に染めたその髪は、ちゃんとケアをしてないのか荒れている。


『え?落し物拾ってくれたんじゃないんですか?』

「それは嘘。他に用があんの」




用って一体・・・?



「清水さん、だっけ?最近、悠太くんとかに
近づきすぎじゃない?」



思いがけない言葉に、私は声がでない。



「べらべら喋ったり相合傘したししてさぁ。
席近いからって調子のんないでくれる?」


「祐希くんとも屋上で話したりして。まじありえない」



・・・あぁ。警戒しとくべきだった。

この人たちは、きっと浅羽くん達が好きなんだ。

私が近くにいるにが気にくわなくてここに呼んだんだろう。




「どういうつもりかしんないけどさぁ」

「これ以上近づかないでくれる?」



彼女たちは円になって私を囲む。

裏庭は、人が来ることは少ない。

相手は4人。私は1人。

つまり、私は危ない状況で。




「大体さ、たいして可愛くもないのに調子のってさぁ」

「ねえ。悠太くんが優しいからって調子乗って」

「将来こいつ男遊び激しそーー」

「あ、分かるー」





暴言の渦



甘ったるい香り





「聞いてんの、あんた?」


金髪の人が、私を覗き込む。




『・・・』



恐怖で、喋れない。

その様子に腹が立ったのか



「無視すんじゃねえよ!!」



彼女が手を上げる。








殴られる――





反射的に目をぎゅっと閉じる。









ぱしっ!






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