野球拳別ver.
■ ■ ■
「じゃあ僕が勝ったら、ミモが1個ずつアームを外していくってどう?」
私はファントムを凝視した。今こいつ、なんて?
「……それってつまり、私が負け続けたらー」
「アームを使って僕に抵抗、っていうのが不可能になるね」
「死んでも嫌です、却下」
「それじゃやろうか」
「話を聞いてくださーいそしてペタぁああどこですかぁあ」
「ペタは用事を押し付けたからね、当分帰ってこないよ」
「押し付けてんじゃないですよ最低上司ー」
さらっとトンデモ発言をするファントムから、私はじりじりと距離を取る。
玉座の間には2人きり。言うまでもなく私とファントム、その2人だ。
「はいじゃーんけーん、」
「……ちっ、」
こうなったら勝つしかない。じゃんけんなんて所詮3択だ、1回くらいは勝つだろう、
「これで5連敗だね、ミモ?」
「なぜ……!」
勝て、ない……だと……?!
がっくり地に膝をつく私の前で、それはそれは楽しそうにファントムが膝を折る。お願いだから、私の首から普通にアーム外さないでくれるかな。
「ふふ、全部外したら、君は僕から逃げられないね。ミモ」
「何この望んでもないスリル満点ホラープレイ……」
(ガチャ「ただいま帰りましたファントム、」
「ペタぁああああ救いの神!!」
「あ、あと30分、いや1時間外で待機しててくれないペタ?」
「ふざっけんなこの変態司令塔」)