再会
■ ■ ■
現れたのは、随分と懐かしい姿だった。
「……えっと」
ぽかん、という擬態語が似合いそうな顔でこちらを見上げた少年は、次の瞬間頬をかいて苦笑した。
「……きょーや?」
「……なんでわかったの」
「そりゃわかるよ」
だって恭弥だし。
訳のわからない事を言い、にっと彼は歯を見せ笑う。
「えっと……俺は死亡、ジ・エンド、みたいな認識でおっけ?」
「……随分落ち着いているんだね」
「や、結構ショック受けてる」
おどけたように言葉を紡ぐ彼の傍ら、投げ出されたその手がかすかに震えているのに雲雀は気がついた。
「バズーカ当たったから、ここは10年後っていう認識でいーんだろうけど……まさか自分の墓に出るとはね」
いかにも笑い話か何かのようにははっ、と語る彼の顔、その目元が上手く笑えていないことに、本人は気がついているのだろうか。
「……ねえ」
「ん、なに恭弥?」
ねえ、君は気がついているだろうか。
僕の手もまた、震えていることに。
「……待ってたんだよ」
込み上げる感情のままに思いっきり抱きしめれば、小柄な体はすっぽり腕の内におさまって。
ぎゅう、と強く強く抱きしめた瞬間、びくん、と細い肩が大きく跳ねた。
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