ペア
■ ■ ■
僕達は、「ペア」だ。
そう言うと、彼はいつも苦い顔をするけれど。
「そこ。右後ろの路地に気配。3つ」
淡々と告げるは真横の少年。
その顔に何の感情も浮かんでいないのを見て、骸もまた前を向いた。
「君はいつでも死角なし、ですか」
「余計な事言ってないで撃破しろよ」
「勿論」
僕を誰だと思ってるんですか、そう言うとぴったり真横に貼りつき走る彼は、微かに嘆息した。
「追加。……前方に気配。あと3秒で爆破」
「は?」
最後に付け加えられた言葉に、ご法度とわかっていながら聞き返す。もちろん走る速度は緩めない。
「ちょっ、君今なんて」
「2、」
無表情で少年は言う。
「1、」
――ゼロ。
瞬間、轟音が目の前で弾けた。