君は泡に死にゆくの | ナノ

最後を永遠にとどめられたら

夏が来なければいいと、いくども願った。
時間なんて過ぎなければいい、とも。


今も、そう思う。




「…っ、あ、」
「…もっと、声、聞かせて」
「あっ、ん、」
耳元を熱い吐息が掠める。
あつい、あつい、
まるで、夏の温度みたいな。
「っ…きょ、やっ、あ、」
「すき、」
不意打ちで零れる、雲雀の言葉。
目の前の唇からとろりと落ちた囁きに、
無意識でその首に腕を回す。
「…積極、的、じゃない」
「んっ、ぁ、はあっ、」
全身を貫く快感に、
ユイは強く腕を引いた。
雲雀は慣れた動作でこちらの顎をすくい取り、
深くあまく口付けをする。
「…あん、っ、」
「っ、…」


この時間が、ずっと続けばいい。
このままずっと、永遠に。
ユイはシーツを強く掴んだ。
この瞬間を刻み付けるかのように。



「…きょう、や、」



だいすき、だよ。

だから、
どうか、


なかないで。



|10/11|bkm

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