堕天使と契約を。 | ナノ
堕天使(だてんし):
主なる神の被造物でありながら、高慢や嫉妬がために神に反逆し、罰せられて天界を追放された天使、あるいは自由意志をもって堕落し、神から離反した天使である。 ーWikipediaより引用




「愛情とかって要らないと思わない?」
ユウの問いかけに、雲雀は目を細める。
次の瞬間、
響く、鉄の交わる音。
「…その答えなら、前にも言った」
交わるのはトンファーと、細身の剣。
「あ、これレイピアっていうんだ」
「…別に聞いてない」
激しい接近戦を繰り広げながら、しかし2人は言葉を交わす。
まるで、あたかも武器を交えるのと変わらぬかのように。
「だいたい君、それどこから出したの」
「ナイショ」
くすり、
片頬で笑う姿さえ様になるのは。
彼の存在が異質だから、
か。
「無償の愛なんてどこにも無いんだよ、雲雀」
甲高い金属音に、頬を切る風。
「知ってるよ。だからいらない」
「いや知らないさ」
笑む、青の目。
「お前は、愛されることなんて知らない」
「ずいぶんな口の利き方だね」
「傲慢に生きてるからね」
だって俺は、本来ヒトより格上だから。

自分で言った言葉に、なぜかユウは傷付いたように顔を歪めた。
雲雀は気付いていながら指摘もせず、再びトンファーを振るう。
「だから堕とされたんでしょ。地上に」
「…そう」
その通り。
彼は笑う。片頬を緩めて。
武器は交わる。耳につく音で。



「…ねぇ、雲雀」


そろそろ、終わりにしようか。


堕天使の末路


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