獄寺、肩貸して
屋上でいつものサボり組2人。
「……眠たい」
「ちょっ、てめ、何してやがる宮野!」
「眠たいんだよ…肩ぐらい貸せよいいだろ…」
「肩ぐらい、じゃねーよ!ちょっ、まじで、」
珍しく焦ってんなあ獄寺…
ぼんやりとした意識の中、雛香は目を閉じる。
「…だいじょーぶ、ツナに見られても、こんくらいで右腕失格、なんて言われねーだろ…」
「…いや、だからそんなんじゃねーって…」
獄寺の声が遠くなっていく。
ああ、これはまじで眠りに落ちるな。
…こんな風に無防備に肩を借りて眠りに付けるなんて、
俺も案外、獄寺に心を許してんだな、
と、心地いい温もりを感じながら思考を放棄した。
「……無防備に寝やがって…」
肩に感じる柔らかな温もりに、獄寺はこめかみを手で押さえた。
「…雲雀とかに見つかったら、責任取れよてめー」
肩に掛かる軽めの体重にため息をつき、
獄寺は上昇する心拍数をごまかすように、髪をがしがしとかきむしった。
この後約束通り雲雀に見つかり、
「……なにやってんの君」
「…ちょっ、待て雲雀、これには訳が…!」