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第三話

未来の意識が戻り

何時間が経っただろうか。

不意にエンマ大王が繋がれている檻に

白い球体が現れた。

それは『声だま』と呼ばれ

妖怪が声や意識を遠隔にいるところまで

飛ばせる技術だった。

「ぬらりか」

エンマ大王の声にこたえるように

声だまはぬらりひょんの姿に変わった。

「ご無事でしたか、大王様。

未来も…」

ぬらりひょんは隣の檻にいる

未来を確認した。

「ああ、心配はいらん。

な!未来」

「はい!

私も大丈夫だよ、ぬらり!」

未来は元気よく立ち上がった。

「それより鬼まろが…」

未来の気がかりはそれだった。

「そうだ、ぬらり。

鬼まろが予定より300年も早く

地上に到達する」

そこまで聞いたぬらりひょんは

息をのんだ。

「うっ…妖魔界がこのような時に…」

「大丈夫、手は打ってあるよ。

実際に手配したのは犬まろと猫きよだけど」

未来はぬらりひょんに

妖怪ウォッチエルダについて説明した。

「いにしえの妖怪ウォッチ

というわけか…。

大王様、そこはどこに?」

「ぬかりはない。

今頃犬まろ達が

『妖怪ウォッチエルダ』

として改修している頃だ」

エンマ大王は柵を握りしめた。

「ぬらり、未来よ。

ここを出るぞ」

エンマ大王がそう言うと

未来とぬらりひょんはうなずいた。


to be continued

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