名前変換
第二話

「うっ…」

未来が目覚めると

目に入ってきたのは牢獄の檻だった。

どうやら粗末なベッドに寝かされているらしい。

そして起き上がろうとすると

手は太い鎖で繋がれていた。

「こんなもの…!」

未来は外そうと鎖を揺さぶるが

無意味だった。

「未来…気がついたか?」

「大王様?」

一人だと思っていたら

すぐ近くにエンマ大王の声がした。

声がした方を見ると

隣の檻からエンマ大王が見えた。

未来を安心させるためか

笑顔を見せる。

「ここは…」

「さっきの忍者の話だと

牙牢城の牢獄だな。

カイラが大王になるつもりらしい」

エンマ大王は淡々と説明した。

「カイラ…あの蛇王カイラですか?」

未来は思い出した。

妖怪になってぬらりひょんの補佐となって

必死に妖魔界のことを勉強した。

未来の知識に間違えがなければ

蛇王カイラはエンマ大王の幼馴染だが

長い間閉じ込められていたはず。

「そうだ」

エンマ大王が座ると

鎖が小さく鳴った。

「にしてもカイラの奴…

俺だけならまだしも

女である未来まで…」

エンマ大王は未来を守れず

悔しかった。

「すまないな、未来。

けど大丈夫だ。

ぬらりにも俺達が捕まったことは

知れているはずだ」

エンマ大王からは

ぬらりひょんへの信頼が感じられた。


to be continued

prev 目次 next