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第二話「初出勤」

4月1日。

今日はいよいよアークに

初出勤の日だ。

ドキドキしながら真新しいスーツを着て

私は会社に向かった。


「おはようございます!」

少し緊張しながらビルに入って

入り口にいる警備員さんに挨拶をした。

「ああ。おはよう、富田」

「え、エンマ社長!」

なんとエンマ社長が

入り口で待っているように立っていた。

隣にはぬらりひょん部長もいる。

「社長が君の到着が

楽しみでここで待っていたのだ」

ぬらりひょん部長が

淡々とそう説明した。

「あ…ありがとうございます!

えっと今日から頑張りますので

よろしくお願いいたします」

私はお辞儀をする。

お辞儀をしながら社長が待っているって

すごいななんて思ってしまった。

「そんなにかしこまらなくていいぜ。

ここは従業員も少ないし

家族だと思っていい」

そう言ってエンマ社長はにかっと笑った。

エンマ社長の笑顔って太陽みたいで

とても落ち着く。

そしてエンマ社長は私にいきなり

右手を差しだした。

「え?」

「握手」

エンマ社長は私の右手を握って

握手をした。

私の手は大きな手に包まれるようになる。

エンマ社長の手は温かくて大きくて

笑顔以上になんだかすごく安心した。

「ってことで

未来って呼んでいいか?

もちろん無理にとは言わないが…」

「もちろんです!」

私は嬉しくて

戸惑うように聞いたエンマ社長に何度もうなずいた。


to be continued

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