第四話「星空」


エンマ大王、ぬらりひょん

そして未来は

宝珠を探すために馬車に乗った。

馬車を操縦しているぬらりひょんの話では

エンマ大王の屋敷から

馬車で二日移動し

さらに森の奥まで歩かなければならないらしい。

「私もお供したいのですが

森には二人しか入れないと聞いています」

「そっか。

頑張ろうね、エンマ」

未来はエンマ大王に笑い

「ああ!」

エンマ大王も応えるように笑った。

「にしても暇だな。

ぬらりがいるから

未来とキスもできないし…」

「え、エンマ!」

「大王様、緊張感が足りませんな」

エンマ大王の大胆な発言に

未来は赤面し

ぬらりひょんは咳払いをした。


あっという間に昼になり

馬車を休めて昼食を食べることにした。

しかし突然の出来事だった。

「エンマ、あれは何だろう?」

黒い影のようなものが

少し離れたところで浮かんでいるのに

未来は気付いた。

「ん?あれは…」

エンマ大王もその影を見た時

影は未来に向かって急接近した。

「未来様!伏せてください!」

ぬらりひょんに言われた通りに未来が伏せると

影は未来がいた場所をすり抜けた。

「はあ!」

しかしエンマブレードを構えたエンマ大王が

その影を切り裂いた。

「まだだ!」

ぬらりひょんも紫の球体を

影の残骸に何度もぶつける。

「す、すごい」

一瞬の出来事に未来は驚いた。

「言っただろ?守るって」

エンマブレードをしまったエンマ大王が

得意げに笑った。


夜は馬車の中で休むことになった。

昼の影はぬらりひょんは

杖と同じ波動を感じたと言っていた。

ならば宝珠を探す未来達を

また襲う危険がある。

そのためエンマ大王とぬらりひょんが

交代で見張りをすることになった。

「ん…」

未来は夜中に目を覚ました。

馬車の外を見ると

エンマ大王が夜空を見上げていた。

「エンマ…」

未来も外に出ると

「目が覚めたのか?」

エンマ大王は少し驚いた顔をした。

しかし未来が隣に座ると

当たり前のように

そっと肩を自分の方へ抱き寄せた。

「私だけ寝ちゃって、ごめんね」

「いいんだよ、お前は」

くすりと笑うエンマ大王。

「お前は大ガマ王からもらった

大事な妃だからな」

「でも…」

未来が申し訳ない気持ちになると

エンマ大王はいつもより低い声で

「なんなら、ここで

昨夜の続きをするか?」

と未来の耳元でささやいた。

「え?」

とっさに未来の顔は熱を帯びる。

「冗談だ」

エンマ大王はいたずらが成功した子供のように

無邪気に笑った。


to be continued







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