第三話「出発」


宝珠を探しに行くことになり

慌てて未来は支度をした。

「未来」

「なんですか、そんなに急いで」

そんな未来に声をかけたのは

コマさんとウィスパーだった。

二人は海で暮らしているが

未来が人間になっても

たまに会いに来てくれる。

そのために未来とエンマ大王の部屋には

海から繋がっている小さな運河が

作られていた。

「コマさん!ウィスパー!」

友達が会いに来てくれて

未来は嬉しかった。

「実はね…」

未来は先程のぬらりひょんの話を

二人にした。

二人はとても驚いた。

「そんな大変なことになってたずら?」

「これは大ガマ王に報告せねば」

ウィスパーは急いで泳ぎ始め

「待つずら!

じゃあ、未来!

気を付けるずら」

「ありがとう、コマさん」

未来は手を振った。

そんな時、エンマ大王も部屋に入ってきた。

「支度は済んだか?」

「うん!もう大丈夫」

「そうか…」

エンマ大王はそっと背中から

未来を抱きしめた。

「エンマ?」

「宝珠を手に入れるには

危険が伴うだろう。

だがお前は俺が守るからな」

まるで背中からエンマ大王の愛情が

未来にうつったようで

未来は幸せな気持ちになった。

「うん。

エンマを信じているよ」

「ああ!」

二人は短いキスをした。

そして二人の初めての旅が始まった。


to be continued







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