第十二話「式の噂」


未来が人間になって

三日目の朝が来てしまった。

「未来ー!」

ジバニャンが窓から

慌ただしく飛び込んできた。

「おめでとうニャン!」

「なんでうぃす?!」

「なんだ、知らないニャン?」

ジバニャンは説明するために

咳払いをした。

「大王様は今日結婚式を挙げるって

噂が街中に広まってるニャン」

(え?!)

未来は信じられなかったが

徐々に嬉しくなった。

「本当におめでとうニャン!

未来の幸せを祈ってるニャン。

じゃあ、式で…ニャン!」

ジバニャンは部屋を出ていった。

(エンマ!)

未来はエンマ大王に会いに行った。

しかし

「大王様、おめでとうございますずら〜!

こんな綺麗なお方が実在なさったとは

びっくりずら〜!」

(エンマ!それに隣にいるのは…)

コマ次郎と話すエンマ大王の隣には

綺麗な女性がいた。

二人は寄り添うように立っている。

「今日の日没までに結婚式を執り行う」

「かしこまりましたずら!」

エンマ大王が結婚するのは

未来ではなかった。

(そんな…!)

未来は泣きながら

部屋に戻るしかなかった。


to be continued







素材はデコヤ様のものを加工しております。