第十話「提案」


未来はエンマ大王の屋敷に入った。

「こいつをキレイにしてやってくれ」

「かしこまりました」

エンマ大王の命令にうなずいた侍女に

未来は連れていかれた。

「じゃあ、な」

エンマ大王は手を振り

(エンマ…またすぐに会えるかな?)

未来もそう思いながら手を振った。


未来は布切れを脱がされ

泡だらけの所に入れられた。

お風呂だが人魚だった未来には

初めてだった。

そしてピンク色のドレスを着せられた。

(素敵…。

ジバニャンには悪いけど

さっきのは…ね)

未来がそう思っていると

「お綺麗ですよ」

世話をしてくれた侍女が微笑んだ。

(ありがとう)

そう言いたい未来は手を合わせる。

「ふふ。

エンマ大王とお似合いですわ」

(お似合い?!)

今度は顔が赤くなる未来だった。


「エンマ大王〜。

幻の女性のことは忘れるずら」

「けどよ…」

食事の部屋でエンマ大王が渋っていると

「こちらですよ」

侍女が未来を連れて扉を開けた。

「あ…!」

未来の美しさにエンマ大王は見惚れた。

「ほら!エンマ大王!

目の前に素敵な女性がいるずら〜!」

コマ次郎は浮かれ

三人はにぎやかに食事をした。

「そうだ!

明日、一緒に街を見て歩かないか?」

エンマ大王の提案に

未来は身を乗り出してうなずいた。


to be continued







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