第九話「再会」


慣れない足で泳ぎ

未来はなんとかエンマ大王を助けた

砂浜にたどり着いた。

「未来に足が…!」

ウイスパーはショックを受け

「これからどうするずら?」

コマさんが問いかける。

そこにジバニャンが飛んできた。

事情を話すとジバニャンは

近くに捨てられていた布切れをくわえた。

「びっくりしたニャン!

でもおれっちがササッと

ドレスを作ってやるニャン」

「大丈夫ですか?」

「まかせるニャン!

こう見えても

デザイナー志望の子の

ペットだったニャン!」

心配するウイスパーにそう言いながら

ジバニャンは未来に

布切れを巻き付けた。

(なんとか歩けるかも)

そして布切れをまとった未来が歩いていると

偶然にもエンマ大王も

こちらに歩いてくるところだった。

(エンマ!)

未来は走り出したかったが

うまくいかない。

「お前は…!」

転びそうになる未来を

エンマ大王が支えた。

「お前…

前に会ったことがあるよな?」

エンマ大王は未来の顔を見て

驚いたようだった。

(覚えていてくれたんだ!)

未来は嬉しくなり

何度もうなずく。

「そうだよな!

お前を探していたんだ!

名前は?」

未来

未来はそう伝えたかったのに

声が出ない。

「話せないのか?

そうか…それじゃ、人違いだな」

エンマ大王がうつむいた。

未来はことのいきさつを伝えたくて

必死で手を動かした。

しかしまたバランスを崩しそうになる。

「どうやら、酷い目にあったらしいな。

大丈夫だ、助けてやる」

エンマ大王は優しく未来を支え

二人はエンマ大王の屋敷へ向かった。


to be continued







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