第七話「魔法使いぬらりひょん」


未来は泣き続けた。

「未来…あの…」

「一人にして」

ウイスパーは未来に声をかけたが

未来は突っ伏したままだ。

仕方がなく

コマさんとウイスパーは洞窟を出た。

そしてしばらくすると

二匹の魚が現れた。

顔が猫や犬に似ていて

決してかわいいとは言えない。

「かわいそうだにゃ」

「そうだな」

「誰?」

未来は驚いて顔を上げた。

「私は犬まろ。

こっちは猫きよ。

俺達はぬらりひょん様のしもべ」

「ぬらりひょん…

あの魔法使いぬらりひょん?!」

未来は父や姉から

ぬらりひょんは

恐ろしい魔法使いと聞いていた。

「ぬらりひょん様なら

あなたの願いを叶えられる」

「一緒にいこうにゃ」

「だ、だめよ!」

未来は怖くなった。

「じゃあずっとこのままでいいのか?」

「そ、それは…」

未来は粉々になった銅像を見た。

「…わかった」

未来はうなずき

二匹について行った。


二匹が案内したのは

一際水深が深いところだった。

犬まろ、猫きよ、未来

そして後をつけてきた

コマさんとウイスパーも

こっそりいる。

ぬらりひょんの屋敷らしき中に入ると

屍のような生き物がたくさんいた。

生き物は未来を止めるように

未来の腕を掴んだ。

しかし

「私の邪魔をするな」

男の声が聞こえ

未来は解放された。

「お入り、お姫様」

そう言って現れたのは

タコの足を持つ

長髪の男だった。

「あなたが魔法使いぬらりひょん?」

「ふふ」

ぬらりひょんは怪しく笑った。


to be continued







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