第六話「父の怒り」


翌日。

ウイスパーは大ガマ王に呼び出された。

「単刀直入に聞くぞ」

「う、ういす」

昨日のことがばれたと思い

ウイスパーの体は震えた。

「未来が恋をしているだろう?」

「わ、わたくしは何も知りません」

ウイスパーはとぼけようとしたが

「まさかと思うが

相手は人間ではあるまいな?」

大ガマ王は逃がさない。

「ういすーーーー!!

わたくしは止めようとしたのですが…!」

「なに?!」

大ガマ王の顔が怒りでゆがんだ。


「早くずら〜急ぐずら〜」

「どうしたの?コマさん」

コマさんは未来を連れて

洞窟へ向かった。

そして洞窟の中には

船と一緒に沈んだはずの

エンマ大王の銅像があった。

「コマさん!すごい!」

「えへへ。

みんなの力もかりたずらが」

未来はとても喜び

コマさんは照れた。

嬉しくて仕方がない未来は

そっと寄り添うように

銅像に近づいた。

「エンマ…結婚しましょう?

いきなりすぎたかな?ふふふ」

浮かれた未来はくるくると周って泳いだ。

しかしそこに大ガマ王とウイスパーが

現れた。

大ガマ王はとても怒っている。

「パパ!」

「溺れた人間を助けたというのは

本当か?」

「でも死にかけていて…それで…

好きなの、彼が」

未来は思わず言ってしまった。

「なんだと!」

「彼が好きなの!愛してるの!」

未来が叫ぶと

大ガマ王の怒りは頂点に達した。

「人間との関わりは禁じられている!

ましてや恋など許さぬ!」

大ガマ王は杖を使い

未来が集めた人間の物を

破壊していった。

「やめて!パパ!」

しかし大ガマ王は狙いを

エンマ大王の銅像へ向けた。

「大ガマ変化の術!!」

銅像は粉々に壊れ

未来は泣き崩れた。


to be continued







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