第五話「会いたい」


「ふふ〜」

翌朝、未来は鼻歌を歌いながら

身支度をしていた。

「どうしたの?未来」

「昨日からこんな調子よ?」

「ウキウキ女だな」

そこに姉であるフブキ姫・椿姫・百鬼姫が

不思議そうな顔でやって来た。

「お姉さま、そのままよ」

「どうしたのだ?」

フブキ姫が百鬼姫にそう言っていると

大ガマ王が部屋に入ってきた。

「あら、おはよう!パパ」

ご機嫌な未来は大ガマ王の頬に

ちゅっとキスをした。

「あ、ああ…おはよう」

少し照れ笑いをした大ガマ王だったが

「あの子、やっぱり…」

「やっぱり?」

椿姫のつぶやきに聞き返した。

「わからないのか?」

「未来は恋しちゃったの」

大ガマ王に百鬼姫とフブキ姫が

そう伝えた。

「恋…未来が?」

大ガマ王は茫然と言ったが

「エンマ大王…」

泳ぎながらつぶやく未来は

とても幸せそうだった。


一方、エンマ大王の屋敷では

「探したか?」

「国中探したずらが

エンマ大王がおっしゃるような

女の子はいなかったずら〜」

エンマ大王とコマ次郎が

そんなやり取りをしていた。

「くそ!

仕事がなければ俺が探しに行くのに!」

「そ、それは困るずら」

今にも執務室を出そうなエンマ大王を

コマ次郎は止めた。

「それにやっぱり幻だったんじゃ…」

「いや、いる!

あの顔…髪…そして声!

とても美しかった!

俺は一瞬で心奪われたんだ!」

「ずら…」

エンマ大王は熱心に語るが

コマ次郎は困っていた。


to be continued







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