第四話「嵐の中の恋」


海が荒れ始めてから

あっという間だった。

大波にのまれたエンマ大王は

海に沈んでいきそうになった。

「大変!」

未来は慌てて

エンマ大王を砂浜まで運んだ。

(人間との接触は禁じられてるけど…

でも…このままじゃ…!)

未来は必死で泳ぎ

コマさんも手伝った。


「よかった、息をしている…」

砂浜の上に横たわったエンマ大王の寝顔に

未来はドキドキが止まらない。

「未来…」

コマさん、ジバニャン、ウイスパーは

そんな未来を

見ることしかできなかった。

未来はすっかり

エンマ大王に恋をしていた。

そっと未来は洞窟の時と同じ歌を歌った。

このままでいたいのに夜が明けていき

「エンマ大王〜」

お供のコマ次郎の声がした。

そして未来達が慌てて姿を消すと

エンマ大王は目を覚ました。

「大王様〜探したずら!」

「女の子が歌っていた」

「ずら?」

エンマ大王は真剣な表情をしていた。

「美しかった。

あいつが運命の女に違いねえ!」

「幻でも見たずらか?」

コマ次郎が笑う。

「…このことは黙っているんです!

シーでういす!」

ウイスパーは

エンマ大王に聞こえないように言ったが

「必ずまた会いに来るわ」

未来は決意をかためた。


to be continued







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