第四話「愛妻弁当」


未来はぬらりより先に起きて

台所にいた。

そこにぬらりが入ってきた。

「あ!ぬらり!

おはよう」

「おはよう、未来。

たまには私が朝食を作ろうとしたが

早いのだな」

二人は当たり前のようにキスをした。

「じゃあ、朝食はお願いしようかな?

私はお弁当を作るね」

「弁当?」

「うん!」

未来はうきうきと

材料を冷蔵庫から取り出した。

「愛妻弁当だね。

エンマ大王の分も作るって

本人に伝えてあるんだ」

「楽しみにしている」

ぬらりは微笑んだ。

おにぎり、卵焼き、ウインナー…

ありきたりなメニューだが

未来は心を込めて作った。

「手際がいいな」

朝食を作り終えたぬらりが

そんな感想を言う。

「そうかな?

あまり見られると恥ずかしいよ」

「見ていたいのだが…

では、こうしよう」

ぬらりも未来の隣に立ち

おにぎりを作り始めた。

「ぬらり?」

「君の分も作るのだろう?」

ぬらりはもう一度微笑み

未来は幸せをかみしめた。


to be continued







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