第三話「心配」


夕方。

ぬらりは未来がいる医務室を訪ねた。

「ぬらり、どうしたの?

怪我でもした?」

「いや、仕事が終わったので

一緒に帰らないか?」

心配そうな未来に

ぬらりはそう説明した。

「うん!」

未来は嬉しくて

帰り支度をした。


夕日を眺めながら

二人は歩いた。

「未来…」

不意にぬらりは名前を呼んだ。

「私は君が無理をしないか

心配なのだ」

「え?」

未来は驚いて立ち止まった。

「春日を癒した時、嬉しそうな君を見て

またおならず者をかばって

君が死んだように

誰かの身代わりになるのではないか…と」

「ぬらり…」

ぬらりの声は真剣だった。

「約束してくれ。

無理はしないと。

もう私は君を失いたくない」

「わかった。

約束するね」

ぬらりの懇願に未来は胸が熱くなり

そっとぬらりに抱きついた。

ぬらりも包み込むように

未来を抱きしめた。



to be continued







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