第九話


自宅に帰った未来は

翌朝コマさん宅になんとなく制服でやって来た。

「おはよう!コマさん、コマ次郎」

「おはようズラ!」

「待っていたズラ」

二人の顔はいつもと違い、真剣そのものだった。

「よし!行くズラ!」

「待つズラ、コマ次郎!」

今にも外へ飛び出しそうなコマ次郎を

コマさんは止めた。

「なんズラ、兄ちゃん?!」

「コマ次郎…オメエはここに残るズラ!」

「え?」

コマ次郎と未来は驚いた。

「なんでズラ?」

「そうよ、三人で頑張ろうよ!」

「だめズラ」

コマさんの瞳は揺らがなかった。

「エンマ大王とぬらりひょん議長は

妖魔界のボスみたいなもんズラ」

「兄ちゃん…」

「だから何が起きるか分からないズラ。

そんな危険な場所に

オメエを連れて行くわけにはいかないズラよ」

いつもののほほんと過ごしているときとは違い

兄らしい頼もしい顔でコマさんは言った。

「兄ちゃん…分かったズラ。

オラはここで待っているズラ」

「分かってくれればいいズラ」

「その代わり…これを持っていくズラ」

そう言ってコマ次郎が取り出したのは

大きなロケット弾だった。

「すごい!強そう」

「昨日のうちにヨマゾンでポチッといたズラ」

「そんな物騒なもの売ってるんだ」

未来は苦笑したが、戦力は急増した。

「よし、行くズラ未来!

本当は未来にも行ってほしくないズラが

オラが守るズラ」

「ありがとう、コマさん」

未来は笑い、二人は歩き始めた。

ずっとずっと一緒にいられるために。


to be continued







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