こんなところで寝るな(エンマ大王)


俺はエンマ大王。

自分の宮殿で大王として

忙しい日々を送っている。

今日もぬらりにこき使われた。

でも女中で恋人の未来も

きっと同じ宮殿で頑張っているからな!

俺も頑張らないとな!

そう思っていたんだが…

「おい」

俺は見つけてしまった。

未来が昼休みに庭の木陰で

気持ちよく眠っているのを。

もちろん休憩時間に昼寝をすることは

悪いことではない。

ただ場所は選んで欲しいと思った。

「他の男だったらどうするんだよ?」

呆れながらそう言って

俺は未来に近づいた。

未来は全然気がつかずに

無防備に眠っている。

重なっている長いまつげ

艶がある唇

すうすうと立てる寝息。

その全てが俺の中の男をうずかせる。

「…ったく」

俺はため息をついてから

未来に覆いかぶさるようになって

未来にキスをした。

「…ん…エンマ?!」

「こんなところで寝るなよ」

やっと起きた未来に少し安心した。

「エンマこそキスしないでよ」

「お前なぁ…こんな所で寝たら

襲ってくださいって

言っているようなもんだぜ?」

「お、襲ってって…」

面白いくらいみるみるうちに

未来の顔が赤くなった。

「そういうことだ。

覚悟はいいな?」

わざと低い声で言った俺は

もう一度未来にキスをした。

今度は長い大人のキスだ。

もちろんこんなところで盛ったりはしない。

忠告するための言葉とキスだ。







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