不器用(エンマ大王)


エンマ大王と未来は

エンマ大王の私室でのんびりとしていた。

ふかふかのソファにエンマ大王は

左腕で左側にいる未来の肩を

しっかりと抱いて

たわいのない話をしていた。

それが二人ともとても楽しい。

もうすぐ時刻は15時だ。

「茶でも飲むか?」

「あ、私クッキー焼いてきたよ!」

未来は嬉しそうに紙袋をエンマ大王に見せた。

「そうか、気が利くな!

ありがとな、未来」

エンマ大王も嬉しくなって

未来の頭をポンポンと撫でた。


「うまい!」

エンマ大王はサクサクのクッキーを

満面の笑みで食べた。

「よかった」

それを見て未来も満たされた気持ちになる。

「でも未来は料理できて器用だよな」

「そんなことないよ」

「いや、俺結構手先が不器用だから

尊敬するよ」

エンマ大王はそう言うと

不意に未来にキスをした。

互いの口の中にある甘い味を味わうように

長いキスになった。

「エンマはキスが器用だよね」

「へへ、そうかもな」

二人は額を合わせて見つめあった。







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