16.ときめく(ノマナル?ノマシカ)



  ――トクン――



――トクン――



    ――トクン――



一定に響く心音は生きていると言う証し

それは一定に刻み続けるのではなく突然早く脈打つことがある




【ときめき】




「おい」

「んー?」


黙々と書類に目を通して判子を押したり仕分けたりしながら曖昧な返事を返したのはうずまきナルト

今や実力を認められ、今や暗部総隊長としての仕事に勤しんでいる訳だ


「そろそろ休憩したらどうだ?」

「ん〜、あと少し」

「それ、一時間前にも聞いたつーの」


「じゃあ…あと30分」

「何時まで引き伸ばすきだっ!」

「じゃあ、これ終わるまでだってばよ!」


ナルトの指差す方向には書類の山が存在していた

一人でやったら何日かかるんだと思うほどその書類の山はナルトの手によってどんどんと少なくなっていた


何故かと言えば簡単だ影分身を二体だして仕事をしているからだ

並の者だったら影分身を消した瞬間に流れて来る情報の多さに失神してもおかしくない

だが、ナルトは影分身を消しても失神するどころか「疲れた」だけで何時も済ましているのを見てるため意外と大丈夫なものなのか?とこの頃思い始める自分がいた

だが試したいとは思わなかった


寝込むのが目に見えている


「食事ぐらい取らないと倒れるぞ」

「大丈夫。そんな簡単に倒れないってば」


やっと書類から目線をはずしたナルトはシカマルを見てフッと笑った

それに無性に胸が高鳴った


コイツの、ナルトの笑顔を見ると何時もこうだ


無性に高鳴る心音


「シカマル…?」


何か言葉が返って来ると思っていたのかナルトは返って来ない言葉にきょとんとした幼い顔をして首を傾げていた


「な、なんでもねーよ。お前が動かないなら飯持ってくんぞ」

「う〜ん、その方が助かるけど、シカマル迷惑じゃないか?」

「お前が倒れる方が迷惑だつーの」


それもそうかと笑ったナルトに俺は無性にナルトを抱き締めてしまいたい衝動に襲われたがぐっと堪えた


「わぁーたなら持ってきてやるから待ってろ」

「うん、待ってるってば」


ドクドクと高鳴る心音を誤魔化す様に俺は早足で部屋を出た


――俺はこの胸の高鳴りの名を


―――まだ知らない








     -END-

シカマルが純粋過ぎて似合わない(笑)
数日後には自覚したシカマルがナルトに迫ってるのが目に浮かぶ!!



2012.4.17 完成

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