12.囁く(スレシカスレナル)
その声は甘く
人を引き付ける
「総隊長」
リンッと鳴る鈴の音の様な澄んだ声
その声に引き付けられるのは俺だけじゃねぇんだよな
「颯火…」
変な気分になりそうだ
「総隊長、いい加減離して下さい」
「嫌だって言ってんだろ?」
颯火は腕から逃れようと必死だが、影縛りをされてしまえば身動きが取れない
「総隊長!」
「あ?」
「今から任務ですから」
放して下さい!と叫ぶ颯火の言葉を無視して総隊長こと黒楊は抱き心地が良いと全く関係ない事を内心思っていた
「はぁ……黒楊様」
呼び方を変えた颯火は体の力を抜き、黒楊に寄りかかる。
それにやっと諦めたかと黒楊は思ったが…
「黒楊様…愛しています」
甘い甘い声で耳元に囁かれた言葉に黒楊は背中がゾクゾクとしたのを感じた。
「お前っ…それはやめろって」
「…何の事ですか」
「〜〜ッ!」
顔を赤くして颯火から離れた黒楊に颯火はしてやったりと笑顔を向けた。
耳で囁かれるのが苦手なのを最近知った颯火はこうやって毎度逃げるのだ
「颯火、後で覚えてろ」
「へ?」
「思う存分喘がせてやる」
「え〜〜!?」
最終的には自分に帰って来る事を知った颯火なのである
-END-
単なる黒楊ことシカマルが赤面する所を書きたかっただけです(笑)
2011.4.20 完成
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