8.見つめる (イタリク)
※イタ夜リクですので注意を!
この頃、ふっとした時にする視線はどこか観察する様な…
「そんな所にいねぇで降りて来いよ」
「っ!いつから気付いてた?」
昼の姿から夜の姿へと変化をしたリクオは縁側から桜の木に目線を向けた。
そうすればバツが悪そうな顔をしたイタクが桜の木から下りて来た。
「お前の視線が痛てぇんだよ。何時も近くに居んのに見つめるって言うか、見守るつーか」
「昼のお前は無防備過ぎなんだ!何時もフラフラと危なっかしい」
ぶつぶつと言い訳じみた事を言うイタクにリクオは目を見開いたがハハッと笑い声を上げた。
「何が可笑しい!」
「過保護だなって思ってなっ」
何時も何処からか見ているとは過保護にも程がある。
昼の時は確かに肉体的に弱く、軟弱なのは誰が見ても明らかで…
だが、威圧感を出したり自分を守るぐらいは何とか出来る。
だからそんなに心配する事は無い筈なんだが…
イタクは本当に、過保護だ。
「俺は!!」
「リクオ様〜!」
「…どうした、雪女?」
「総大将がお呼びですっ。」
「分かった。」
呼びに来た雪女に直ぐ行こうと言う様に立ち上がり、チラッと複雑そうな顔をしているイタクを見てから相手にしか聞こえ無いだろう小さな声で言葉を漏らした。
「これからも見守ってやってくれ」
とても小さな声だったがイタクはそれを聞き、目を見開いた。
だがそれは一瞬で、次の瞬間には気が向いたらなと冷たく、どこか照れてる様に言うイタクに満足そうに笑ったリクオは雪女を連れて総大将の元へ向かった。
-END-
焦ったり困ったりするイタクを見たくて書いたらこんなのになってしまった!
2010.9.14 完成
2011.3.11 移動
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