花占い (臨→帝←千)
すき
きらい
好き…
一枚づつ花弁を千切る
花占いなんて女々しいことめったにやらないとか、初めてだけど
「様になっている自分自身が怖い」
はぁと溜め息を漏らし花を放り出した
公園でこんな事をしている自分が恥ずかしくなってきたからだ
「そこの彼女」
誰の事だろうと帝人はベンチから立ち上がって歩こうとすれば腕をガシッと掴まれた
「一緒に食事しない?」
「嫌です。とか何やってんですか千景さん」
池袋にいる筈がない人物が堂々と知り合いを口説くというのはどうなのだろう。
そもそも敵同士だった筈なのに何がどうなってそんな行動を…と心の中でつらつらと疑問を並べていた帝人は千景が一歩踏み出したのに気が付かなかった
「わっ!」
「行くぞ」
ぐっと腕を引かれてバランスを崩し、千景の胸に抱き込まれたと思えば肩に腕を回され、歩き出していた
神業だと感心したのもつかの間
「ど、どこ行く気ですか」
「そうだなぁ、ファミレスとかで良いか?」
「お一人で行って下さい。僕はこれから用事があるんです」
今日は青葉にやることを言うだけ言って、臨也に会う予定だった
いつもの事ながら遅れてくる臨也にうんざりしながら暇つぶしをしたのが悪かったのかもしれない
「ハニーを待たせる奴なんかほっとけって」
「ハニーって…僕は男です!それにあの人の遅刻はいつもの事なので気になりませんし」
「ッ…そんなに大切な相手なのかよ」
それに臨也さんには借りがあるから下手に言えないと心の中で溜め息を漏らした帝人は苛立った様な千景の声が聞こえた
「…そんな奴忘れさせてやる」
低い、低いその声が息と共に鼓膜が振るえるその刺激にゾクッと鳥肌が立った
怖いとかはもちろんあった
けど
「いたいた、帝人くんお待たせ」
「臨也さん!」
「あ〜ごめんね。お取り込み中のところ」
「手前…」
堂々とやって来た遅刻常習犯に帝人は助かったとホッと息を吐いたのもつかの間、二人は険悪な雰囲気を作り出していた
「帝人くん、行こうか」
「は、はい…っ!」
「行くな」
臨也の元に行こうとした帝人だったが腕を引かれ、正面から抱き込まれる
「千景さん放して下さいっ」
「ほら帝人くんが嫌がってる。放してあげなよ。それとも君は敵を欲しくなったんだ?けど残念。帝人くんはもう俺の物なんだ。」
「っ…手前になんか渡さねぇーよ!」
「い、いい加減にして下さい!!」
半泣き状態で叫んだ帝人は千景の腕の中から抜け出した
「僕は誰の物でもありません!」
そう言って帝人は走り去った。
「で、誰との相性占ってたんだ?」
「だれって…そ、園原さん」
「なーんだ詰まんねぇーの」
-END-
サンドって良いよね〜
とか千景の言葉遣いが分からないんだよなぁ…
2010.11.17 完成
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