引かれる者 (覚醒帝人→帝人(←)青葉目線)



覚醒帝人→帝人の青葉目線で、覚醒帝人は琉斗(りゅうと)と言う名前です。
帝人が少し酷い人です。



【引かれる者】



初め見た時は正直驚いた。

「琉斗先輩!」
「わっ!」

あの人の場合後ろから抱き締める前にボールペンが向けられるのだが、驚いた事に呆気なく抱き締められてしまった。

「だ、誰?」
「え、琉斗先輩じゃない?」
「青葉、お前殺されたいか?」

そう言えば少し小さい様な…と思っていれば後ろからひんやりとした殺気が向けられあれれ?と首を傾げて後ろを振り向けば今にも飛んで来そうなボールペンに冷や汗が流れた。

「琉斗先輩!って事は…」
「あの、放してくれませんか?」
「そうだ、さっさと帝人を放せ。」
「あ、あぁごめんね。人違いだったみたい。」

慌てて帝人と呼ばれた少年を放せば琉斗先輩の殺気が消えてボールペンを上着の内ポケットへと放り込み、帝人さんに話し掛けている。それはもう嬉しそうに

「琉斗先ぱ〜ぃ」
「何?今、帝人と話してるんだけど」
「あの、もしかして双子ですか?」
「さぁね。」

不機嫌丸出しでこっちを向く琉斗先輩は全く帝人さんの事を教えるつもりは無いのだと思った。

「琉斗、ちゃんと教えてあげなよ。友達でしょ?」
「違う。部下だよ部下。教えてやる事ないからね。」
「じゃあ個人的に自己紹介ならいいよね?」
「それも駄目だ。」
「…頑固者」

まじまじと二人を見比べればやはりそっくりで瓜二つだが、纏う空気が違う。
琉斗先輩は冷たさを持ち、帝人さんは日溜まりみたいな暖かい空気を纏っている。

「僕、竜々峰帝人です。琉斗は双子の弟で…」
「帝人!」
「琉斗先輩に双子の兄がいるなんて初めて聞きましたよ。初めまして帝人先輩。」

琉斗先輩を無視して話を進め、握手をしようと手を前に出せば琉斗先輩によって叩き落とされた。

「ちょっと、琉斗!」
「青葉と握手なんてする事無いから早く帰るよ。」
「そんな嫉妬深いと帝人先輩に嫌われますよ」

かと思えば帝人先輩の手を掴み昼休みだと言う事を忘れて帰ろうとする琉斗先輩につい。ぽろっと心の中で言ったつもりが口に出してしまったらしくキッと睨まれる。

「青葉、そんなに死にたいか?」
「琉斗、今日の晩御飯抜きにするよ。」
「チッ、今日は止めとく。」

今日はってのが気になったが、琉斗先輩が食事ごときで引くとは驚きだ。
「帝人先輩って何者…?」
「あ、僕はダラーズの裏管理者でもって臨也さんには適わないですけど情報屋です。」
「う、裏管理者!?」

思っても見なかった事をサラッと言われ、目を丸くして驚いた。

「帝人、青葉に教えるなんて何考えて…」
「僕、今使える駒が欲しいんだ。だから青葉君、その駒になってくれない?」

にっこりと笑う帝人先輩にゾクッと鳥肌が立った。
怖い訳では無く、恐れている訳じゃなく、無言の威圧がある。
流石、琉斗先輩の兄だと琉斗先輩への興味が今、帝人先輩へと移った。

「良いですよ。」
「そう来なきゃ。」

帝人先輩の片手を取りその甲に口付ければ帝人先輩は今までで一番の笑顔が向けられて一瞬その笑顔に見惚れた。そうほんの一瞬

「青葉、帝人に近付き過ぎるな。殺すぞ?」

一般人がいたら気絶するだろう殺気を琉斗先輩から向けられ、ボールペンが飛んで来ないか冷や冷やしたが、ボールペンを出さないのはこの帝人先輩の近くにいるからだろう。

「琉斗、青葉君借りるね。」
「良いが、臨也と静雄はどうした?」
「それが、臨也さんはちょと色々あって新羅さんの所で療養中で、静雄さんはお仕事なんだよ。」サラッと二人の人物の名前が出て。はっ?と不抜けた声を出せば帝人先輩がこっちを向き、二人は協力者なんだ。と説明をしてくれたが、あの二人が“タダで”協力してくれるのか?(特にあの、折原臨也)が

「青葉君て結構言いたい事顔に出るね。」
「あいつらは帝人の言う事なら何でも聞くさ。例えその“仕事”が“死を招く”ものでもな。帝人の忠実な駒だよ。」
「ちょっと、琉斗物騒な言い方しないでよ!それにあの二人は駒じゃなくて今は奴隷ですよ。」

焦がれて、焦がれて心を奪われた哀れな奴隷と言い、嬉しそうに笑う帝人先輩は正直壊れてると思った。
だが、あの二人もきっと壊れているのだと、そしてクスクス笑う琉斗もその一人なのだろう。

「青葉君。これから宜しくね。」

チュッと帝人先輩が頬に軽いキスをされ最初は何が起きたのかが分からなかったが、分かった瞬間顔に熱が集まるのを感じた。

「帝人。」
「はいはい。」琉斗先輩を軽くあしらった帝人先輩は駒になった俺を見て手を差し伸べて来た。

「授業サボって遊びに行かない?」
「はいっ、行きます。」
「俺も行くからな。」
「じゃあ行こうか。」

帝人先輩に手を引かれ学校を出た。

琉斗先輩に向けていた興味は今や帝人先輩へと向き、何でか惹きつけられるその人に…

利用されるならこっちも利用しますからと心の中で言ったが、それを顔から読み取ったのかにっこりと笑い。

「臨也さんも言ってたけど最後まで僕を利用出来なかったんだ。だから、青葉君楽しませてね。」

無理そうだけどなと言う琉斗先輩の言葉なんか聞く気になれず、やってみせます。と笑い返してやった。
それに琉斗先輩は嫌そうな顔をしたのが横目で見えたが無視をした。





-END-

今いち青葉の口調が分からん;
なのに青葉目線(笑)
でも帝人に奴隷を言わせたかっただけなんだけどね♪

2010.8.26 完成
2010.10.14 移動



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